トヨタは1998年5月に、初代「イプサム」の姉妹車種となる5ナンバーサイズのミニバン「ガイア」を発売しました。ボディサイズは全幅を除きイプサムより一回り大きく、一クラス上の車種として位置付けられました。5ナンバーサイズならではの取り回し性とゆとりある室内空間を兼ね備え、更に上質な内装が備わる点がセリングポイントでした。
イプサムより長く高いディメンション
ボディタイプはイプサム同様、オールヒンジドアの5ドアで、スタイリングはイプサムよりもコンサバティブなイメージで纏められていました。ボディサイズは全長4,620mm×全幅1,695mm×全高1,640mmで、イプサムよりも全長が90mm長く全高が20mm高いディメンションでした。ホイールベースは同一の2,735mmで、車両重量は若干重い1,420~1,530kgでした。
プラットフォームをイプサムと共有する為、サスペンション形式も共通のフロント:ストラット式/リア:トーションビーム式でした。駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、エンジンはイプサムと共通の2L直4ガソリンNAの3S-FE型(最高出力135ps/最大トルク18.5kgm)及び2.2L直4ディーゼル・ターボの3C-TE型(最高出力94ps/最大トルク21kgm)が用意されました。
ガソリン車はFFと4WDが選択出来る一方ディーゼル車はFFのみの設定で、トランスミッションは全車に4速トルコン式ATが組み合わせられました。グレード体系はグレード名無しのモノグレードが基本ながら、2-2-2配列の6人乗り仕様と2-3-2配列の7人乗り仕様が選択出来た他、「Sパッケージ」「Lパッケージ」「Gパッケージ」の3つのパッケージオプションが設定されました。
トヨタ ガイアのCM
エンジン変更により燃費が向上
安全装備面では、全車にSRSデュアルエアバッグシステム、ABS、プリテンショナー&フォースリミッターシートベルトが標準装備されました。そして2000年4月に、ガソリン車にエアロパーツが装着されるパッケージオプション「エアロパッケージ」が追加されました。次いで2001年4月のマイナーチェンジで、フェイスリフトやホイールのインチアップ(14インチ→15インチ)、ブレーキアシストの追加などが行われました。
同時に、ガソリンFF車のエンジンが2L直4直噴VVT-i仕様の1AZ-FSE型(最高出力152ps/最大トルク20.4kgm)に置換され、アウトプット向上と共に20%以上の燃費改善を実現しました。次いで2002年8月の一部改良で、4WD車のエンジンも1AZ-FSE型に置換されると共に、ディーゼル車が廃止されました。同時に、5:5分割可倒式セカンドシートやプライバシーガラスなどが採用されました。
そして2004年9月に生産を終了、ガイアの車名は1代限りで消滅する事となりました。