1991年にデビューを飾ったトヨタのプレミアム4ドアセダン「アリスト」は、1997年8月に6年ぶりのフルモデルチェンジを実施し、2代目モデルに移行しました。新開発されたプラットフォームが採用され、先代で姉妹車種の関係にあった「クラウンマジェスタ」と袂を別ち、完全に独立した車種となりました。
スタイリングは社内デザインに
ボディのデザインは、イタルデザインによる先代から一転し社内チームにより手掛けられ、ヘッドランプの形状などが一新されたものの、基本的なデザインポリシーは踏襲されました。ボディサイズは全長4,805mm×全幅1,800mm×全高1,435mmで、先代から全長が60mm短縮された一方、全幅が5mm、全高が30mm拡大されました。
ホイールベースは20mm延長され2,800mmとなり、車両重量は先代とほぼ同等の1,600~1,680kg(初期型)でした。サスペンション形式は先代同様の4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲され、駆動方式はフルタイム4WDグレードが廃止になりFRに一本化されました。エンジンは4L V8の1UZ-FE型が廃止され、3L直6DOHC NAの2JZ-GE型と同ツインターボの2JZ-GTE型の2種類となりました。
VVT-i化よりトルクアップ
共に先代からのキャリオーバーながらVVT-i化に伴い最大トルクが向上、スペックはそれぞれ最高出力230ps/最大トルク31kgm、最高出力280ps/最大トルク46kgmとなりました。組み合わせられるトランスミッションは先代同様の4速トルコン式ATながら、フレックスロックアップ機構の採用により高効率化が図られました。一方、ブレーキは先代の4輪ベンチレーテッド・ディスク式から、リアが通常のディスク式に変更されました。
グレード体系は、NAエンジン搭載の「S300」とターボエンジン搭載の「V300」の2タイプが基本で、それぞれにバフ研磨仕上げアルミホイールやブラックインテリアが備わる「ベルテックスエディション」が設定されました。安全装備面では、ABSやSRSデュアルエアバッグシステムに加え、SRSサイドエアバッグシステムやブレーキアシスト、横滑り防止装置「VSC」などが採用されました。
そして1999年8月に、オプションのボイスナビの仕様向上やボディカラーの変更が行われました。次いで2000年7月にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルやリアコンビネーションランプ、アルミホイールの意匠変更と共に、全車に前席SRSカーテンエアバッグシステムとアラーム&エンジンイモビライザーシステムが標準装備されました。
同時にNA車のATが5速化されると共に、「平成12年基準排出ガス25パーセント低減レベル」を達成しました。又、「S300」に本革シートや本木目ステアリングホイール&ドアパネル、オートレベリング機能付ディスチャージヘッドランプなどを装備した「ウォールナットパッケージ」が設定されました。そして2004年11月に生産を終了し、次期モデルは輸出向け同様「レクサス・GS」として発売されました。