トヨタのプレミアム4ドアセダン「アリスト」は、1991年10月に「クラウンマジェスタ」と共にデビューしました。プラットフォームなど基本コンポーネンツをクラウンマジェスタと共有する姉妹車種である一方、それよりもスポーティな性格を持ち、より若い年齢層をターゲットとしたモデルでした。又、後にレクサス・ブランドの「GS」として海外にも輸出されました。
スタイリングはイタルデザインがベース
ボディのデザインは、ジョルジュエット・ジウジアーロ率いるイタルデザインによるものをベースに、社内チームでリファインしたものが採用されました。エアロダイナミックを追求したスタイリングを持ち、Cd値0.3の優れた空力特性を持っていました。ボディサイズは全長4,865mm×全幅1,795mm×全高1,405mmで、クラウンマジェスタよりも僅かに小振りなものでした。
ホイールベースは同一の2,780mmで、車両重量は初期型で1,580~1,680kgでした。サスペンション形式はクラウンマジェスタ同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式も同様にFRが採用されました。エンジンは、発売当初用意されたのは3L直6DOHC NAの2JZ-GE型(最高出力230ps/最大トルク29kgm)と、同ツインターボの2JZ-GTE型(最高出力280ps/最大トルク44kgm)の2種類でした。
4L V8エンジンを追加
トランスミッションは、いずれも4速トルコン式ATが組み合わせられました。当初のグレード体系は、NAエンジン搭載の「3.0Q」とターボエンジン搭載の「3.0V」の2タイプでした。そして翌1992年10月に、クラウンマジェスタに搭載されていた4L V8DOHCの1UZ-FE型エンジン型(最高出力260ps/最大トルク36kgm)を搭載し、フルタイム4WD方式を採用した「4.0i-Four」が追加されました。
同時に、「3.0Q」をベースにラグジュアリーな装備を奢った新グレード「3.0Q-L」が追加になりました。次いで1993年8月に塗装の改良を行い、化学安定性が高められました。続いて1994年8月に、エクステリアデザインの変更をメインとしたマイナーチェンジが実施され、同時に「3.0Q」に装備を充実させた「Lパッケージ」が、「3.0V」に装備を簡略化した「Sパッケージ」が追加されました。
更に、特別仕様車としてスポーティな装備が備わる「3.0Qリミテッド」が発売されました。次いで1995年8月の仕様向上で、ABSやSRSデュアルエアバッグシステム、プリテンショナー付きシートベルトが全車に標準装備されました。同時に、前述の「Sパッケージ」が廃止になった一方で、ユーロチューンドサスペンションを採用した特別仕様車「3.0Qリミテッド」が発売されました。
続いて1996年7月の一部改良で、フェイスリフトや内装の一部変更が行われた他、チャイルドシート固定機能付きリアシートベルトが全車に標準装備されました。そして1997年8月にフルモデルチェンジが実施され、2代目JZS16型に移行しました。