1994年に北米市場において、「クレシーダ」に代わるトヨタブランドの最上級4ドアセダンとして登場した初代「アバロン」は、2000年にフルモデルチェンジを実施し2代目モデルに移行しました。先代同様アメリカのケンタッキー州に存在する工場で生産され、同年4月から車名を「プロナード」に変更した上で日本市場への逆輸入販売が開始されました。
ボディを拡大しエンジンもパワーアップ
キープコンセプトのモデルチェンジであった為、スタイリングも先代同様の6ライトウィンドウを持つ基本プロポーションが受け継がれました。又、FF方式の踏襲や居住性優先のパッケージングにより、同クラスのFRセダン「クラウン」などよりも広い室内スペースを実現していました。ボディサイズは全長4,895mm×全幅1,820mm×全高1,460mmで、先代からそれぞれ50mm×35mm×25mm拡大されました。
ホイールベースは同一の2,720mmで、車両重量は日本仕様で30~50kg増加し1,500~1,540kgとなりました。サスペション形式は4輪ストラット式を踏襲し、ブレーキも同様にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。エンジンは先代からキャリオーバーされた3L V6DOHC24バルブの1MZ-FE型ながら、スペックが最高出力215ps/最大トルク30.5kgmとなり先代から5ps/1kgmの向上を果たしました。
トランスミッションは先代同様フロアシフト及びコラムシフトの4速トルコン式ATで、先代と異なり日本仕様にもコラムシフトが設定されました。日本仕様の発売時におけるグレード体系は、フロアシフト5人乗りの「3.0」、コラムシフト6人乗りの「3.0L」、フロアシフト5人乗りで電子制御サスペンションやディスチャージヘッドランプ、JBL製オーディオなどが装備される「3.0Gパッケージ」の3タイプでした。
安全・快適装備が充実
安全装備面では、先代同様に全車にABSやSRSデュアルエアバッグシステム、トラクションコントロールが装備される他、新たに横滑り防止装置「VSC」やEBD、ブレーキアシストが採用されました。快適装備としては、DVDカーナビ+TV付きEMVや運転席パワーシートが全車に、3.0以外に本革シートが標準装備される他、オプションでサンルーフが設定されました。
そして2002年9月にマイナーチェンジが実施され、フェイスリフトやリアコンビネーションランプの意匠変更と共に、全車にディスチャージヘッドランプが標準化されました。同時に、DVDカーナビ+TV付きEMVを省いた受注生産のエントリーグレード「3.0Mパッケージ」が追加されました。又、サンルーフのオプション設定が廃止された他、3.0Lのシート生地がファブリックに変更されました。
そして2004年3月をもって日本向けプロナードの販売は終了となり、一代限りでラインナップから消滅しました。一方北米仕様は、2005年まで生産が継続された上で北米市場専用の3代目モデルにフルモデルチェンジされました。