トヨタ自動車は1994年9月に、北米市場において1992年に生産終了となった「クレシーダ」に代わる最上級モデルとなる初代「アバロン」を発売しました。大柄なボディと広い室内スペースを持つFF方式の4ドアセダンで、生産はアメリカのケンタッキー州にあるトヨタ工場で行われ、日本にも1995年5月から逆輸入の形で右ハンドル仕様車が導入されました。
6ライトウィンドウ採用のボディ
スタイリングは、直線的なボディラインを持っていたクレシーダとは異なり、曲線を取り入れた流麗なフォルムが採用されました。又、4ライトウィンドウのクレシーダに対し、リアクォーターピラーに小さなウィンドウが備わる6ライトウィンドウである事も相違点でした。ボディサイズは全長4,845mm×全幅1,785mm×全高1,435mmで、「レクサス・LS」より一回り小さい程度の大きさでした。
ホイールベースは2,720mmで、車両重量は日本仕様で1,470~1,490kgでした。サスペション形式は4輪ストラット式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。エンジンは、新開発された3L V6DOHC24バルブの1MZ-FE型(最高出力200ps/5,400rpm・最大トルク29kgm/4,400rpm)のみが用意されました。
トランスミッションは、日本仕様はフロアシフトのフレックスロックアップ付き4速トルコン式ATとの組み合わせであったものの、北米仕様にはコラムシフト+ベンチシート仕様も用意されていました。装備面では、世界初のオプティトロンスペースビジョンメーターや電動チルト&テレスコピックステアリングなどが採用されました。
日本仕様のグレード体系はベースグレード「3.0」と上級グレード「3.0G」の2タイプで、安全装備として両モデルにABSや運転席SRSエアバッグシステム、トラクションコントロールが、更に3.0Gには助手席SRSエアバッグシステムが採用されました。又、快適装備としては、3.0GにクルーズコントロールやCDチェンジャーが標準装備されました。
トヨタ アバロンのCM
M/Cで性能や仕様が向上
そして1996年10月のマイナーチェンジで、内外装の変更や5.8インチディスプレイ採用のワイドマルチAVステーションの設定、エンジンのアウトプット向上(+10ps/0.5kgm)、ベースモデルにも助手席SRSエアバッグシステムの標準化などの仕様変更が実施されました。次いで1997年10月に2度目のマイナーチェンジが実施され、仕様が一部変更されました。
そして1999年6月に日本での販売を終了、北米向けモデルは2000年まで生産を継続した上で2代目モデルにフルモデルチェンジされました。又、同年オーストラリアでデザインを変更した初代アバロンの生産が開始され、2005年まで生産が継続されました。