トヨタの2ドアクーペ「カレン」は、1993年10月に登場した3ドアハッチバッククーペの6代目「セリカ(T200型)」の姉妹車種として、翌1994年1月に発売されました。異形ヘッドランプ採用による個性的なフロントマスクが特徴だったT200型セリカに対し、オーソドックスで大人しいフロントマスクが備わる他、テールゲートを持たないノッチバックボディが採用されました。
エクステリアのイメージはT200型セリカと大きく異なるものの、プラットフォームは共通で、その他の多くのコンポーネンツを共有していました。ボディサイズは全長4,490mm×全幅1,750mm×全高1,310mmで、T200型セリカよりも全長が70mm長く全高が5mm高いディメンションでした。ホイールベースは同一の2,535mmで、車両重量は若干軽い1,130~1,210kgでした。
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トヨタ カレンのCM
パワートレインはセリカと同一
サスペンション形式はT200型セリカ同様の4輪ストラット式で、ブレーキも同様にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式でした。エンジンも発売当初のT200型セリカと同一で、2L直4DOHC「ハイメカツインカム」の3S-FE型(最高出力140ps/最大トルク19kgm)と、同「スポーツツインカム」の3S-GE型(最高出力170ps/最大トルク19kgm)が用意されました。
トランスミッションは、それぞれのエンジンに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。駆動方式はFFのみの設定で、T200型セリカに追加されたターボエンジン搭載の4WD車は最後まで用意されませんでした。発売当初のグレード体系は、ハイメカツインカム仕様の「FS」「XS」、スポーツツインカム仕様の「ZS」の3タイプが基本で、他にスーパーストラット・サスペンションやスポーツABS、4WS装着車も設定されました。
そして1995年1月に、リアスポイラーや上級オーディオを装備した特別仕様車「XSリミテッド」が発売されました。次いで同年10月にマイナーチェンジが実施され、フロント廻りやリア廻りの意匠変更と共に、運転席SRSエアバッグシステムが標準装備されました。同時に、「FS」に代わるエントリーグレードとして、1.8L直4DOHCの4S-FE型エンジン(最高出力125ps/最大トルク16.5kgm)を搭載する「TS」が設定されました。
限定車「TRDスポーツ」を発売
更に、ビスタ店15周年記念モデルとして、「ZS」をベースに専用エアロパーツなど各種TRDパーツを装備し、スーパーストラット・サスペンションやヘリカルLSDが備わる300台限定の特装車「TRDスポーツ」が発売されました。続いて1996年6月に一部改良が実施され、ABSと助手席SRSエアバッグシステムが標準化されると共に、3S-GE型エンジンの最高出力が180psに向上しました。
そして、T200型セリカがフルモデルチェンジを実施する前年の1998年9月に、一足早く生産終了となりました。後継モデルは発売されなかった為、カレンの車名は1代限りで消滅する事となりました。