アルファロメオのBセグメントコンパクトカー「ミト」は、2008年3月に概要が発表され、日本には翌2009年5月に導入が開始されました。発売当時生産されていたCセグメントコンパクトカー「147」の下位に位置するモデルで、「ベイビーアルファ」という愛称が名付けられました。エントリーモデルながら、アルファロメオ車らしく走行性能に拘ったモデルになっています。
8C譲りのスタイリング
ボディタイプは3ドアハッチバックのみの設定で、スタイリングは147をはじめとする従来の同社製ハッチバック車とは全く指向性が異なり、スーパースポーツ「8Cコンペティツォーネ」の流れを汲む流麗なものとなっています。ボディサイズは全長4,070mm×全幅1,720mm×全高1,465~1,475mm、ホイールベースは2,510mmで、車両重量は1,220~1,260kgとなっています。
サスペンション形式は前:マクファーソンストラット式/後:トーションビーム式で、駆動方式は近年の同社製セダン/ハッチバックの恒例であるFFを採用します。エンジンは、欧州仕様に用意される複数のガソリン及びディーゼルユニットの中から、日本仕様には1.4L直4ガソリンターボのみが導入されます。まず最初に導入されたグレードは、「1.4ターボスポーツ」でした。
D.N.Aシステムを採用
エンジンのスペックは最高出力155ps/最大トルク20.5kgm(オーバーブースト時23.6kgm)で、トランスミッションは6速MTとの組み合わせでした。装備面では、スイッチ操作によりエンジンやハンドリングの特性を「D」(ダイナミック)、「N」(ノーマル)、「A」(オールウェザー)の3段階に切り替えられる「D.N.Aシステム」の採用が最大の特徴でした。
そして2010年3月に、新開発の1.4L直4ターボ「マルチエア」エンジン(最高出力135ps/最大トルク19.4kgm)と、6速DCTの「アルファTCT」を搭載する新グレード「スプリント」及び「コンペティツィオーネ」が追加されました。共にアイドリングストップ機構を採用した他、乗車定員が従来の4人から5人に変更されました。又、「コンペティツィオーネ」にはシフトパドルや17インチアルミホイールなどが装備されました。
次いで同年7月に、1.4Lマルチエアユニットを最高出力170ps/最大トルク25.5kgmまでチューンナップし、6速MTを組み合わせた最上級グレード「クアドリフォリオヴェルデ」が追加されました。装備面では、電子制御可変ダンパーの「ダイナミックサスペンション」をはじめ、18インチアルミホイールやBOSEサウンドシステム、リアパーキングセンサーなどが追加装備されました。
そして2014年1月に一部改良を行い、グレード体系が「スプリント」と「コンペティツィオーネ」の2種類となった他、「スプリント」に専用16インチアルミホイールが、「コンペティツィオーネ」に本革シートが標準装備されるなどの仕様変更が行われました。