アルファロメオは1983年に、「アルファスッド」の後継モデルとなる「33」を発売しました。プラットフォームやパワートレインなど基本メカニズムの多くがアルファスッドから受け継がれた一方、一部にコストダウンや整備性向上の為の仕様変更が行われました。ボディタイプはまず5ドアハッチバックが登場し、翌1984年に5ドアステーションワゴンの「ジャルディネッタ」が追加されました。
アルファスッドから全長・全幅を拡大
ハッチバックモデルのデザインはアルファ・スタイリング・センターによるもので、スタイリングは直線を基調としたシャープなボディラインと、リアにノッチを持つ3ボックス風のプロポーションが特徴でした。一方ジャルディネッタは、デザインがピニンファリーナの手に委ねられたものの、基本的なデザインイメージは踏襲されました。
ボディサイズは、ハッチバックが全長4,015mm×全幅1,612mm×全高1,305mm、ジャルディネッタが全長4,140mm×全幅1,610mm×全高1,320mmで、共にアルファスッドよりも全長・全幅が拡大された一方、全高は低く設定されていました。ホイールベースは共にアルファスッドと同一の2,455mmで、車両重量は初期型でハッチバックが890kg、ジャルディネッタが915kgでした。
サスペンション形式は、アルファスッドと同一のフロント:ストラット式/リア:ワッツリンク+パナールロッド式が踏襲されました。一方ブレーキは、フロントのディスクブレーキが整備性を考慮しアルファスッドのインボード式から一般的なアウトボード式に変更された他、リアは生産コストを下げる為ディスク式からドラム式にダウングレードされました。
4WD車やディーゼル車を追加
駆動方式は、発売当初はアルファスッド同様にFFのみの設定だったものの、翌1984年に4WDが追加されました。エンジンは、当初はアルファスッド譲りの1.3L/1.4L/1.5Lのフラット4SOHCガソリンユニットが用意され、トランスミッションは全車5速MTが組み合わせられました。そして1986年に一部改良が実施され、インテリアが上級モデル「75」に準じたものに変更されました。
同時に、1.7Lフラット4SOHCエンジン搭載車が追加されました。次いで翌1987年に、ステーションワゴンの名称がジャルディネッタから「スポーツワゴン」に変更されました。続いて1989年のマイナーチェンジにより、フェイスリフトと同時に1.7LエンジンのDOHC&16バルブ化やVM製1.8L直3OHVディーゼルターボエンジン搭載車の追加、4WD方式の仕様変更などが行われました。
そして1994年に、後継モデル「145」にバトンタッチして生産終了となりました。