BMW車をベースとしたチューンドカーの生産で知られるドイツのアルピナ社は、2011年に現行型「BMW・5シリーズ(F10/11型)」をベースとしたハイパフォーマンスモデル「B5ビターボ」シリーズを発売しました。エンジンの排気量は先代とほぼ同等であったものの、過給器がメカニカルスーパーチャージャーからツインターボチャージャーに変更され、パフォーマンスが一段と向上しました。
セダンとワゴンをラインナップ
ボディタイプは先代同様、4ドアセダン「リムジン」と5ドアステーションワゴン「ツーリング」がラインナップされました。エクステリア・デザインは、専用エアロパーツや専用アルミホイール、専用デコレーションの採用などにより5シリーズとの差別化が図られました。ボディサイズは、全長4,905mm(セダン)/4,913mm(ツーリング)×全幅1,860mm×全高1,469mm(セダン)/1,453mm(ツーリング)でした。
5シリーズと比較すると全高のわずかな相違をのぞけば同等で、先代との比較では全長・全幅が若干拡大されていました。ホイールベース2,968mmで、先代比で80mmほど延長されました。駆動方式は先代同様FRのみの設定で、エンジンは4.4L V8DOHCツインターボ(最高出力530ps/5,200-6,250rpm・最大トルク74.5kgm/2,800-5,000rpm)が搭載されました。
先代との比較では、30ps/4.1kgmのアウトプット向上を実現していました。トランスミッションは、先代の6速から8速に多段化されたトルコン式ATが組み合わせられました。パフォーマンスはセダンが最高速度319km/h・0-100km/h加速4.5s、ツーリングが最高速度316km/h・0-100km/h加速4.6sで、先代から若干ながらも向上を果たしました。
サスペンション形式は、ベースモデルおよび先代同様のフロント:ダブルジョイント・ストラット式/リア:インテグラルアーム式が踏襲され、ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備されました。タイヤはフロントが255/35ZR20、リアが285/3ZR20で、先代からワイド&大径化が図られました。
エンジン性能がさらに向上
その後、2012年のフェイスリフトでエンジンの性能向上が図られ、スペックが最高出力600ps/6,000rpm・最大トルク81.6kgm/3,500-4,500rpmとなりました。それにともない、パフォーマンスもセダンが最高速度328km/h・0-100km/h加速4.2s、ツーリングが最高速度323km/h・0-100km/h加速4.2sまで向上しました。
そして2017年にフルモデルチェンジが実施され、G30/31型5シリーズをベースとした現行型に移行しました。日本市場においては、2011年4月にまず「ビターボリムジン」が導入されました。右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が設定され、豪華・快適装備面ではダコタレザーシートやデュアルエアコン、HDDナビゲーションシステム、クルーズコントロールなどが標準装備されました。
その後、2012年2月にフェイスリフト版に切り替えられると同時に、「ビターボツーリング」が追加されました。そして2017年3月をもって販売終了となったものの、新型B5シリーズの日本への導入時期は現時点では未定となっています。