アウディの「A1」は、同社として初のBセグメントコンパクトカーとして2010年5月に欧州で発売が開始され、翌2011年1月に日本で発売が開始になりました。「A3」の弟分にあたり、グループ内の「フォルクスワーゲン・ポロ」とはプラットフォームを共用する姉妹車種となるものの、如何にもアウディらしいプレミアム感溢れる仕上がりになっている事が特徴となっています。
スタイリッシュなボディが特徴
ボディ形状は3ドアハッチバックで、同社独自のアイデンティティーを備えるフロントマスクと、塊感のあるプロポーションを特徴とします。又、ポロが直線的なボディラインによる機能性優先のデザインであるのに対し、A1は曲線を多用し美観を優先したデザインとなっている事が相違点になっています。乗車定員も異なり、ポロの5人に対しA1は4人になっています。
ボディサイズは全長3,970mm×全幅1,740mm×全高1,440mmで、ポロよりもワイド&ローなディメンションを持ち、ホイールベースは2,470mmで同一となっています。日本仕様の車両重量は1,190kgで、ポロよりもやや重くなっています。サスペンションはフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式となっています。
日本仕様はモノグレードでスタート
エンジンは、欧州仕様は1.2L及び1.4Lの直4ガソリン直噴ターボ「TFSI」と1.6L直4ディーゼルターボの3種類が用意され、トランスミッションは5速MTと7速DCT「Sトロニック」(1.4L車のみ)が設定されます。日本仕様は、1.4Lガソリン直噴ターボエンジン+Sトロニックのパワートレインを搭載する「1.4TFSI」のモノグレードでスタートしました。
エンジンのスペックは最高出力122ps/5,000rpm、最大トルク20.4kgm/1,500~4,000rpmで、アイドリングストップ機構とエネルギー回生システムを搭載し、JC08モード燃費は17.8km/Lとなっています。右ハンドル仕様のみの設定で、インテリアは黒を基調とした精悍な雰囲気でまとめられ、インパネはアウディ車ならではの機能的かつスポーティなデザインとなっています。
5ドア版を追加し、エンジンを変更
そして翌2012年6月に、5ドア版の「A1スポーツバック」が日本において発売開始になりました。A1に対しメカニズムに変更はなく、全幅が5mm広く車両重量が30kg増加する事と、乗車定員が5人となる事が相違点になっています。次いで2014年6月に、A1、A1スポーツバック共に気筒休止システム採用の1.4L TFSIエンジンを搭載するグレード「TFSIシリンダーオンデマンド」が追加されました。
スペックは最高出力140ps/4,500~6,000rpm、最大トルク25.5kgm/1,500rpm~3,500rpm、燃費20.4km/Lとなり、パワー・燃費共に向上を果たしました。そして2015年6月、A1/A1スポーツバック共にマイナーチェンジを実施し、フェスリフトにより全長が15mm拡大された他、内装が一部変更になりました。同時に電動パワーステアリングを採用すると共に、エンジン及びグレード体系が変更されました。
グレードは、1L直3ターボエンジン搭載の「1.0TFSI」及び「1.0TFSIスポーツ」(最高出力95ps/5,000~5,500rpm、最大トルク16.3kgm/1,500~3,500rpm、燃費22.9km/L)と、パワーアップを図った気筒休止システム付1.4L直4ターボエンジン搭載の「1.4TFSIシリンダーオンデマンドスポーツ」(最高出力150ps/5,000~6,000rpm、最大トルク25.4kgm/1,500~3,500rpm)の3種類となりました。
A1は、スタイリングや走行性能、環境性能などが高次元でバランスした、如何にもアウディ車らしい完成度の高いコンパクトカーとなっています。又、コンパクトカーとしては稀少なプレミアムモデルである事が最大の持ち味であり、セカンドカーを導入するにあたり通常のコンパクトカーでは飽き足らない都市部の富裕層を主な購買層として、堅実な人気を獲得しています。