1994年に初代モデルがデビューしたアウディのCセグメントモデル「A4」は、2015年9月のフランクフルト・ショーで通算5代目となる現行型が発表され、2016年2月に日本市場への導入が開始されました。先代からプラットフォームが一新された他、予防安全装備の大幅な強化やパワートレインの変更などによる動力性能・燃費性能の改善が図られました。
空力特性を改善
ボディタイプは先代同様4ドアセダンのA4と5ドアステーションワゴンのA4アバントが設定され、日本市場にはまずセダンが先行導入されました。スタイリングは先代のイメージを受け継ぎながらも、フロントグリルやヘッドランプの意匠変更などによりリフレッシュが図られた他、空力特性が追求されCd値は先代より0.4~0.5ポイント低い0.23を実現しました。
セダンのボディサイズは全長4,735mm×全幅1,840mm×全高1,430mmで、先代から全長・全幅がそれぞれ15mm拡大された一方、全高は10mm低くなりました。ホイールベースは15mm延長され2,825mmとなり、車両重量は1,540~1,660kg(日本仕様)で先代と同等若しくは若干軽量化されました。サスペンション形式は、先代のフロント:5リンク式/リア:トラペゾイダル式から4輪ダブルウィッシュボーン式に一新されました。
2Lターボエンジンは先代から出力が向上
駆動方式は先代同様、FFとフルタイム4WD「クワトロシステム」が設定されました。日本仕様に用意されるエンジンは先代同様2L直4DOHCガソリンターボのみとなるものの、形式が変更されアウトプットが向上、FF用が最高出力10psアップの最高出力190ps/最大トルク32.6kgmに、クワトロ用が最高出力41ps/最大トルク2kgmアップの最高出力252ps/最大トルク37.7kgmになりました。
トランスミッションは、FF車にCVTが採用された先代と異なり、全車にDCTの7速Sトロニックが採用されました。又、燃費は先代から14~33%改善されました。一方インテリアは、インパネに「A6」などの流れを汲む「ラップアラウンドデザイン」が採用されると共に、フルデジタルメーターの「アウディバーチャルコクピット」がオプション設定されるなどイメージが一新されました。
様々な安全運転支援システムを用意
安全運転支援システムとしては、衝突被害軽減ブレーキの「Audiプレゼンスシティ」や右折時に危険を感知すると自動的にブレーキを掛ける「ターンアシスト」、車線維持をサポートする「Audiアクティブレーンアシスト」に加え、「アダプティブクルーズコントロール」「Audiパーキングシステム」「リヤビューカメラ」が全車に標準装備されました。
更に、斜め後方の死角から接近する車を感知・警告する「Audiサイドアシスト」や、後方から接近する車を監視し万が一の衝突の際に衝撃を軽減する「Audiプレゼンスリヤ」、駐車時にステアリング操作などを自動的に行う「パークアシスト」がオプション設定されました。その他、ナビゲーション機能と8.3インチモニターが備わる最新のインフォテインメントシステムが全車に採用されました。
日本仕様のグレード体系は、標準グレード「2.0TFSI」「2.0TFSIクワトロ」と、フロントスポイラーや大径アルミホイールなどが装備されるスポーティグレード「2.0TFSIスポーツ」「2.0TFSIクワトロスポーツ」の全4タイプがラインナップされました。
A4/A4アバント (4代目 B8 ’07-):先代からボディを拡大した一方で燃費を改善
1994年に初代モデルがデビューしたアウディのDセグメントセダン/ステーションワゴン「A4」は、2007年のフルモデルチェンジにより4代目の現行型となり、日本では翌2008年3月にセダンが、同年8月にステーションワゴンの「アバント」が発売されました。先代からボディを一回り拡大した一方で、パワートレインの改良により燃費改善が図られました。
先代より大型かつロングホイールベースに
スタイリングは先代の基本プロポーションを踏襲しつつもモダナイズされ、ボディサイズは全長4,705mm×全幅1,825mm×全高1,440mm(セダン)/1,465mm(アバント)で先代から全長が120mm、全幅が55mm拡大されました。又、ホイールベースも165mm延長され2,810mmとなっています。アルミを多用した車体の重量は1,510~1,760kgで、グレードによっては先代よりも軽量化されています。
サスペンションは、新設計された前:5リンク式/後:トラペゾイダルリンク式を採用します。発売当初日本仕様に設定されたパワートレイン及びグレードは、セダン/アバント共に1.8L直4ターボエンジン(最高出力160ps/最大トルク25.5kgm)+CVTを搭載するFFモデル「1.8TFSI」と、3.2L V6NAエンジン(最高出力265ps/最大トルク33.7kgm)+6速トルコン式ATを搭載するフルタイム4WDモデル「3.2FSIクワトロ」の2種類でした。
エンジンは後に2Lに一本化
そして2009年3月に、2L直4ターボエンジン(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)+7速Sトロニック(DCT)を搭載するフルタイム4WDモデル「2.0TFSIクワトロ」が追加されました。次いで同年9月の一部改良で、外装や装備の一部変更と同時に「3.2FSIクワトロ」の燃費が向上、更に同年12月にはナビゲーションシステムがDVD式からHDD式に変更されると共に、「3.2FSIクワトロ」は廃止されました。
続いて2012年4月にマイナーチェンジを実施し、フロントマスクとテールランプのデザインを変更すると共に、内装の質感アップが図られました。同時に、「1.8TFSI」に代わるエントリーグレードとして、2L直4ターボエンジン(最高出力180ps/最大トルク32.6kgm)搭載のFFモデル「2.0TFSI」が設定されました。又、全車にアイドリングストップ機構と減速エネルギー回生機構が搭載され、燃費が最大20%改善されました。
次いで2013年4月の一部改良で、従来オプション扱いだった前席シートヒーターと「アウディ・パーキングシステム」が全車に標準装備されました。更に2015年1月に、「アダプティブクルーズコントロール」や「アウディ・サイドアシスト」、「アウディ・アクティブレーンアシスト」などから構成される「アシスタンスパッケージ」が備わる「ダイナミックパッケージ」及び「ラグジュアリーパッケージ」が設定されました。