GM(ゼネラルモーターズ)は1963年、シボレー・ブランドより新型中型乗用車「シェベル」をリリースしました。フォード・モーターの「フェアレーン」などへの対抗馬として開発されたモデルで、信頼性を重視した手堅い設計や魅力的なエクステリア・デザイン、高性能モデルの設定などによりヒット作となりました。
多彩なボディを用意
プラットフォームは「GM・Aプラットフォーム」の改良型が採用され、ボディタイプは発売当初から2ドアおよび4ドアセダン、2ドアハードトップクーペの「スポーツ」、2ドアコンバーチブル、4ドアハードトップの「スポーツセダン」、5ドアステーションワゴンの6タイプがラインナップされました。スタイリングは直線基調のシンプルなボディラインを持ち、かつ虚飾を廃したプレーンなものでした。
ボディサイズは全長4,925mm(セダン)/5,050mm(ワゴン)×全幅1,895mm×全高1,384mm(セダン)/1,374mm(ワゴン)、ホイールベースは2,921mmで、既に市場で高い人気を獲得していた同社の「シボレー・シェベルⅡ」よりも一回り大きいディメンションでした。ステアリング形式はリサーキュレーティング・ボール式で、ブレーキは当初は全車4輪ドラム式でした。
駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは当初、3.2L直6OHV(最高出力122ps/最大トルク24.5kgm)、3.8L直6OHV(最高出力157ps/最大トルク29.8kgm)、4.6L V8OHV(最高出力223ps/最大トルク40.8kgm)、5.4L V8OHV(最高出力253ps/最大トルク48.4kgmおよび最高出力370ps/最大トルク48.4kgm)が用意されました。トランスミッションは、3速およびOD付3速MTと、2速トルコン式ATが設定されました。
高性能モデルを追加
そして翌1964年、3ドアステーションワゴンが追加されるとともに、2ドアハードトップクーペおよび2ドアコンバーチブルに、専用メータークラスターやフロント・バケットシートなどが装備される「スーパースポーツ(SS)・パッケージ」が設定されました。次いで1965年には、6.5L V8OHVエンジンや強化サスペンションなどが備わる「Z16」が200台限定でリリースされました。
続いて1966年にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルやバンパーの意匠が刷新されるとともに、直線的だったベルトラインがコークボトルラインにリデザインされました。次いで翌1967年にもフェイスリフトが行われ、リアコンビネーションランプの意匠などが変更されました。同時に、全車にフロント・ディスクブレーキが標準化された他、新たに3速トルコン式ATが設定されました。
また、コラプシブル・ステアリングコラムやブレーキ警告灯の採用など、安全性の強化も図られました。その一方で、6.5L V8エンジンは廃止されました。そしてこの年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。