GM(ゼネラルモーターズ)のブラジル法人である「GM・ド・ブラジル」は、1968年11月のサンパウロ・モーターショーで新型中型乗用車「シボレー・オパラ」を発表、翌1969年に販売を開始しました。オペル(西ドイツGM)製の「レコルトC」をベースに開発されたモデルで、プラットフォームやボディシェルなどは共通でした。
レコルトと異なるフロントマスクを採用
ボディタイプは当初は4ドアセダンのみの設定で、スタイリングはレコルトCと基本的に共通ながら、ヘッドランプがレコルトCの角型2灯式に対し丸型2灯式が採用された他、意匠の異なるフロントグリルが採用されました。ボディ・ディメンションは全長4,702mm×全幅1,758mm×全高1,384mm、ホイールベース2,668mmで、全長はレコルトCよりも長くなっていました。
駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは当初2.5L直4(最高出力80ps)と3.8L直6(最高出力125ps)の2種類が用意されました。レコルトCに用意されたのが1.5~1.9Lであったのと比較すると、はるかに排気量の大きいラインナップとなっていました。トランスミッションは、当初2.5Lには3速コラム式MTまたは4速フロア式MTが、3.8Lには3速コラム式MTが組み合わせられました。
その後、5速フロア式MTや3速コラム式および4速フロア式のトルコン式ATが追加されました。サスペンション形式はレコルトCと同様、フロントがウィッシュボーン/コイル式、リアがリジッド・アクスル/コイル式で、ステアリング形式も同様にウォーム&ローラー式が採用されました。
当初のグレード体系は、標準グレード「イスペシャル」と上級グレード「ルクソ」、そして前席セパレートシートや4速MTなどが装備されるスポーティグレード「SS」の3タイプのラインナップでした。そして翌1970年秋に、2.5Lエンジンの最高出力を88psまで高めて搭載する最上級グレード「コモドーロ」およびスポーティグレード「SS-4」が追加されました。
3度のビッグM/Cを実施
次いで1971年に3.8Lエンジンが4.1L直6エンジン(最高出力140ps)に置き換えられました。さらに1974年には2.5Lエンジンの最高出力が98psに向上するとともに、オプションで4.1L直6の高性能版「250-S」エンジンが追加されました。続いて1975年に初のビッグマイナーチェンジが実施され、内外装デザインが一新されるとともに、2ドアハードトップ・クーペと3ドアステーションワゴンがラインナップに加わりました。
次いで1980年に実施された2度目のビッグマイナーチェンジでは、再び内外装デザインが刷新されるとともに、トップグレードとして「ディプロマータ」が設定されました。その後1985年に3度目のビッグマイナーチェンジが実施された後、1992年に「オメガ」に後を譲り生産終了となりました。