1954年にGM・シボレー部門初の2シータースポーツカーとして誕生した「コルベット」は、1962年に8年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目C2型「コルベットスティングレイ」に移行しました。先代C1型からスタイリングや足回りなどが一新された他、コンバーチブルに加えフィクスドヘッドクーペがラインナップされました。
クーペは「ボートテール」が特徴
スタイリングは、丸みを帯びたボディに固定式ヘッドランプを備えていたC1型から一転し、シャープなボディラインとリトラクタブルヘッドランプが備わるモダンなフォルムに変貌しました。又、クーペは通称「ボートテール」と呼ばれるユニークなリアフードの造形に加え、初期型は「スプリットウィンドウ」と呼ばれる2分割式のリアウィンドウが採用されました。
C1型同様、独立したフレームに架装されるボディのサイズは全長4,453mm×全幅1,768mm×全高1,268mmで、C1型から全長が拡大された一方で全幅・全高は縮小されました。又、ホイールベースはC1型より100mm短い2,489mmに設定された為、前後のオーバーハングが長いプロポーションとなりました。車両重量は1,315~1,388kg(※クーペの数値)で、C1型とほぼ同等でした。
4輪独立懸架サスを採用
サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン/コイル式・リア:トレーリングアーム/リーフ式による4輪独立懸架が採用されました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは当初通称「スモールブロック」と呼ばれる5.3L V8OHVがキャリオーバーされました。最高出力は燃料噴射仕様が365hpで、キャブレター仕様は250hp/300hp/340hpの3種類が用意されました。
組み合わせられるトランスミッションは、当初2速トルコン式AT又は3速MTでした。又、ブレーキは当初C1型同様の4輪ドラム式が踏襲されました。そして翌1964年にリアウィンドウが一体型に変更され、更に1965年のマイナーチェンジでブレーキが4輪ディスク式に変更されると共に、エアコンやパワーステアリングがオプション設定されました。
排気量を拡大
同時に、通称「ビッグブロック」と呼ばれる6.5L V8OHVキャブレター仕様エンジン(最高出力425hp)が追加された他、3速ATと4速MTが追加されました。次いで1966年、ビッグブロックエンジンの排気量が7Lまで拡大され最高出力が390hp又は425hpとなり、追って翌1967年には最高出力が400hp/435hpに向上しました。
更にこの年、L88型と呼ばれるアルミヘッド採用のビッグブロック・レーシングユニット(公称最高出力430hp)搭載車が20台生産されました。そして1968年にフルモデルチェンジが実施され、C3型「コルベット」に移行しました。