GM(ゼネラルモーターズ)は2006年、1947年にリリースされた「シボレー・サバーバン」をモチーフとしたレトロモダンなパイクカー「HHR」を発売しました。メカニズム面はごくオーソドックで、プラットフォームは小型乗用車「シボレー・コバルト」などと共通の「GMデルタ・プラットフォーム」が採用されました。
ボディは2タイプ
ボディタイプは、5ドア・5人乗りのワゴンと5ドア・2人乗りのパネルバンが設定されました。スタイリングは、丸みを帯びたフォルムや張り出した前後のフェンダーなど、サバーバンを彷彿とさせるディテールが取り入れられました。全体的な雰囲気は、2000年に登場した同じくレトロ調の外観を売り物とする「クライスラー・PTクルーザー」に類似していました。
ボディサイズは全長4,475~4,480mm×全幅1,755mm×全高1,590~1,605mm、ホイールベース2,630mmで、PTクルーザーよりも一回り大きいディメンションでした。駆動方式はFFのみの設定で、エンジンは当初2.2L直4DOHC NA(最高出力143hp/最大トルク20.4kgm)と2.4L直4DOHC NA(最高出力172hp/最大トルク22.4kgm)が用意されました。
トランスミッションは、5速MTまたは4速トルコン式ATが組み合わせられました。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム・セミ独立懸架式で、ブレーキはフロントにソリッド・ディスク式、リアにドラム式が採用されました。安全装備面では、SRSデュアル&カーテンエアバッグシステムやABSが標準装備されました。
ターボ車を追加
当初のグレード体系は、2.2Lエンジン搭載の「LS」、2.2L/2.4Lエンジン搭載の「LT」、2.4Lエンジン搭載の「2LT」の3タイプのラインナップでした。そして翌2007年に2.2Lエンジンのアウトプットが最高出力149hp/最大トルク21kgmに向上し、次いで2008年には2L直4DOHCターボエンジン(最高出力260hp/最大トルク26.5kgm)を搭載する「SS」が追加されました。
それ以降は、大きな仕様変更などは行われないまま販売が続けられた後、2011年をもって生産終了となりました。後継モデルのリリースはなく、1代限りでGMのラインナップから姿を消しました。日本市場においては、2007年6月から正規輸入が開始されました。当初はワゴンのみの設定で、グレードは2.2Lエンジン搭載のLS(5速MT/4速AT)と1LT(4速AT)、2.4Lエンジン搭載の「2LT」(4速AT)がラインナップされました。
その後2008年8月に、アッパーデッキスポイラーをはじめさまなざなオプション装備を標準化した特別仕様車「スポーティパッケージ」が設定され、次いで2009年9月には、2.2Lエンジン+4速AT搭載のパネルバン「LSパネル」が追加されました。続いて2011年3月、ボディ同色のドアミラーとドアハンドルを装備した特別仕様車「LTライト」が設定されました。