GM(ゼネラルモーターズ)は2001年11月、日本市場においてスズキ自動車と共同で開発した新型Bセグメント・コンパクトカー「シボレー・クルーズ」を発売しました。前年に発売された初代「スズキ・スイフト」をベースとしながらも、それとは異なるドライブトレインの設定や大径タイヤの採用などにより、差別化が図られていました。
専用デザインのフロントグリルを採用
ボディタイプは、国内向けスイフトと同様6ライトウィンドウ採用の5ドアハッチバックのみの設定でした。スタイリングはボディシェルをスイフトと共有しながらも、フロントグリルのゴールドボウタイやクロスバー、丸型4灯式テールランプなど、シボレー・ブランドならではのディテールが取り入れられていました。
ボディサイズは全長3,625mm×全幅1,610mm×全高1,560~1,610mmで、スイフトよりも若干大きいディメンションとなっていました。ホイールベース2,360mmで、スイフトと同一でした。サスペンション形式は、スイフトと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:I.T.L式で、ブレーキは全車にフロント:ディスク式/リア:ドラム式が採用されました。
パートタイム4WDを設定
駆動方式はFFと4WDが設定される点はスイフトと共通ながら、4WDの方式はスイフトがフルタイム方式であったのに対し、クルーズには電子制御パートタイム方式が採用されました。エンジンはスズキ製で、スイフトと共通の1.3L直4DOHCのM13A型(最高出力88ps/最大トルク12kgm)の他、スイフトには設定のない1.5L直4DOHCのM15A型(最高出力110ps/最大トルク14.5kgm)が用意されました。
トランスミッションは全車4速トルコン式ATとの組み合わせで、スイフトに設定のあった5速MTは最後まで用意されませんでした。安全装備はスイフト同様、SRSデュアルエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABS、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトが全車に標準装備されました。
当初のグレード体系は、下から1.3Lエンジン搭載の「E」「X」と1.5Lエンジン搭載の「LS」「LT」の4タイプのラインナップで、E/Xはスズキ系列店で、LS/LTはGMシボレー系列店で販売されました。その後、2002年12月の仕様変更でグレード体系が「1.3LS」「1.3LT」「1.5LT」の3タイプに変更されるとともに、全モデルがスズキ/GMシボレー相互の系列店で販売されるようになりました。
次いで2003年6月に廉価グレード「1.3LS Eエディション」が追加され、追って11月に実施された一部改良では、内装デザインの変更や室内幅の拡大、フロントサスペンションの強化、1.3Lエンジンの燃費改善などが図られました。続いて2006年5月の一部改良の際に、1.3LS Eエディションと1.5LTが廃止されました。そして2008年6月をもって全車販売終了となりました。
同年、世界戦略車として位置付けられた2代目モデルがリリースされたものの、日本市場への導入は行われませんでした。