GM(ゼネラルモーターズ)は1964年、ピックアップトラック「シボレー・エルカミーノ」を5年ぶりに復活させました。1959~1960年に生産された初代モデルが大型乗用車「シボレー・インパラ」をベースとしていたのに対し、この2代目モデルは前年にリリースされた中型乗用車「シボレー・シェベル」がベースとなり、ボディサイズが縮小されました。
プレーンなスタイリング
ボディタイプは先代同様、2ドア・シングルキャブ仕様のみの設定でした。スタイリングは、シボレー・シェベルの流れを汲む直線基調のプレーンなもので、テールフィンが備わるなどデコラティブな雰囲気だった先代から大きくイメージが変わりました。ボディ・ディメンションは全長5,050mm×全幅1,895mm×全高1,374mm、ホイールベース2,921mmで、シボレー・シェベルの5ドアステーションワゴンと全く同一の数値でした。
駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンは当初、シボレー・シェベル同様に3.2L直6OHV(最高出力122ps/最大トルク24.5kgm)、3.8L直6OHV(最高出力157ps/最大トルク29.8kgm)、4.6L V8OHV(最高出力198ps/最大トルク39.5kgm)、5.4L V8OHV(最高出力253ps/最大トルク48.4kgmおよび最高出力304ps/最大トルク49.8kgm)が用意されました。
組み合わせられるトランスミッションには、3速/4速MTと2速トルコン式AT「パワーグリッジ」が設定されました。ブレーキはシボレー・シェベル同様4輪ドラム式で、ステアリング形式も同様にリサーキュレーティング・ボール式が採用されました。そして翌1965年にフェイスリフトが実施され、中央部分がV字型に突起したフロントグリルが採用されました。
ビッグブロック・エンジンを追加
同時に、5.4L V8OHVエンジンのハイチューン版(最高出力370ps/最大トルク48.4kgm)が追加されました。次いで1966年にもフェイスリフトが実施され、エクステリアが一部変更されるとともにインパネのデザインが一新されました。同時に、6.5L V8OHVの「ビッグブロック・エンジン」(最高出力330psおよび380ps)が追加されました。
続いて1967年に3度目のフェイスリフトが実施され、フロントグリルやフロントバンパー、トリムなどの意匠が変更されました。同時に、コラプシブル・ステアリングコラムの採用により衝突時の安全性が向上した他、リアサスペンションにエア・ショックアブソーバーが採用されました。さらに、オプションでフロント・ディスクブレーキと3速トルコン式ATが設定されました。
そして翌1968年にフルモデルチェンジが実施され、3代目モデルに移行しました。2代目エルカミーノは、販売が振るわなかった初代モデルと異なりヒットし、4年間に16万台以上が生産されました。