2002年にダイハツ初の2シーターオープン軽スポーツカーとしてデビューした「コペン」は、2012年に一旦生産終了となった後、約2年のブランクを経た2014年6月に2代目となる新型が発売されました。先代からパワートレインやプラットフォームを一新し、ボディ骨格の剛性を大幅にアップした他、これまでに前例のなかった着せ替え式ボディを採用した事が大きな特徴となっています。
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独自のボディ構造が特徴
ボディは、外装パネルの交換を可能とする構造「DRESS-FORMATION」と、外装パネルに頼らずボディ剛性を確保する為にバスタブ構造に似た構造の「D-Frame」を採用した事が特徴で、ボディ剛性は先代から上下曲げ剛性が3倍、ねじり剛性が1.5倍に大幅アップしています。そして、様々なバリエーション展開が想定されるボディタイプのうち、まず最初に「ローブ」と呼ばれるものが発売されました。
釣り上がったヘッドランプや開口部の大きなフロントグリルにより、ファニーな雰囲気だった先代とは全く異なるアグレッシブな雰囲気を醸す事が特徴となっています。又、ボディ後端を「尻下がり」だった先代とは対照的なダックテール形状とする事で、揚力を60%抑える事に成功しています。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,280mmで、先代よりも全高が35mm高くなり、ホイールベースは同一の2,230mmとなっています。
エンジンは専用品から汎用品に
サスペンション形式は、先代同様の前:マクファーソンストラット式/後:トーションビーム式で、車両重量は先代より20~30kg重い850kg~870kgとなっています。駆動方式は先代同様のFFで、エンジンは先代の専用開発された0.66L直4ターボのJB-DET型(最高出力64ps/6,000rpm、最大トルク11.2kgm/3,200rpm)から、「タント」などと共通の直3ターボのKF-VET型(最高出力64ps/6,400rpm、最大トルク9.4kgm/3,200rpm)に置換されました。
トランスミッションは先代同様5速MTが設定される他、ATが4速トルコン式に替わり7速マニュアルモード付CVTに変更されました。後者には、アイドリングストップ機構が備わります。エンジンのスペックは低下したものの、中低速トルク重視の性格により扱い易さが向上した他、燃費が先代の15.2km/L(4AT車)~18km/L(5MT車)から22.2km/L(5MT車)~25.2km/L(CVT車)へと大幅に向上しました。
ボディバリエーションを拡大
そして同年11月、ボディバリエーション第2弾として「エクスプレイ」が発売されました。「タフ&アグレッシブ」をコンセプトに、多面体のボディ形状や多角型フロントグリル、前後のホイールフレアを採用した事が特徴となります。又、専用デザインのアルミホイールや「クロスフレーム」と呼ばれるデザインのインパネを採用するなど、様々な点で「ローブ」と異なる仕様となるものの、基本スペックは同一となっています。
次いで翌12月に、「ローブ」をベースにビルシュタイン製ショックアブソーバーやレカロシート、モモ製皮巻きステアリングなどを装備した上級グレード「ローブS」が追加されました。「ローブ」同様MTとCVTが設定され、CVTにはパドルシフトが装備されます。そして2015年6月、ボディバリエーション第3弾として、「フレンドリー&ダイナミックエボリューション」をコンセプトに掲げた「セロ」が発売されました。
初代を彷彿とさせる丸目2灯式のヘッドランプやファニーなフロントグリル、横軸基調のインパネを採用した事が特徴で、こちらも基本スペックは同一となります。同時に、「エクスプレイ」に「ローブS」と同様の装備が備わる「エクスプレイS」が追加されました。新型コペンの販売台数は月間平均で800台程で、スポーツカーとしては好調な水準で推移しています。