本田技研工業は2016年3月10日、2002年発売の「FCX」、2007年発売の「FCXクラリティ」に次ぐ燃料電池車第3弾となる「クラリティフューエルセル」のリース販売を開始しました。従来から燃料電池スタックを大幅に小型化すると共にモーターのマウント方式を変更し、燃料電池車として世界で初めてパワートレイン一式をボンネット内に収める事に成功したモデルとなりました。
空力特性を追求
ボディサイズは全長4,915mm×全幅1,875mm×全高1,480mmで、FCXクラリティからそれぞれ30mm×30mm×10mm拡大されました。ライバルの「トヨタ・MIRAI」と比較すると全長・全幅が若干大きく、全高は低いディメンションとなっています。ホイールベースはFCXクラリティより50mm短い2,750mmとなった一方、車両重量は260kg増加し、MIRAIよりも40kg重い1,890kgとなっています。
4ドア6ライトウィンドウのボディは、FCXクラリティのイメージを受け継ぎながらも空力特性が更に追求され、ホイールハウスから発生する気流の乱れを整える「リアエアカーテンダクト」や「リアタイヤカバー」が採用されました。一方、5人乗りとなる室内はパワートレインの小型化により居住性が改善されると共に、デジタルグラフィックメーターが備わるモダンなインパネが採用されました。
トヨタMIRAIを凌ぐ航続性能
駆動方式はFCXクラリティやMIRAIと同様FFで、交流同期型モーターのスペックは最高出力140ps/最大トルク30.6kgmとなりFCXクラリティから4ps/4.5kgm向上しました(MIRAIは最高出力154ps/最大トルク34.2kgm)。又、一充填走行距離はFCXクラリティを30%上回る750kmとなり、MIRAIの650kmを凌ぐ航続性能を実現しています。
サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式となっています。装備面では、運転支援システムとして衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援システム、路外逸脱制御機能、誤発進抑制機能から構成される「Honda SENSING」が標準装備されます。
更に、安全装備としてSRS7エアバッグシステムや車両接近通報装置が備わる他、旋回性を向上させる「アジャイルハンドリングアシスト」も装備されます。又、快適装備として運転席8ウェイ&助手席4ウェイパワーシートや前後4席分のシートヒーター、Hondaインターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器+8スピーカー、遮音機能付ガラスなどが採用されます。
車両価格は766万円で(MIRAIは723.6万円)、まず法人向けのリリース販売のみが行われ、1年半程後に一般向けの販売が開始される予定となっています。