フォード・モーターは1998年、前年にリリースした大型SUV「エクスペディション」をベースとしたリンカーン・ブランドの高級SUV「ナビゲーター」を発売しました。ラダーフレーム式シャシーや基本メカニズムをエクスペディションから流用しながら差別化を図ったモデルで、アメリカ国内においてベストセラーカーとなりました。
エクステリアに専用の意匠を採用
ボディタイプはエクスペディション同様5ドアのみの設定で、スタイリングは基本的なフォルムを踏襲しつつ、独自デザインのフロントグリル、ヘッドランプ、バンパー、リアコンビネーションランプ、ルーフラックなどが与えられました。ボディサイズは全長5,200mm×全幅2,027mm×全高1,847~1,948mmで、全長・全幅がエクスペディションから僅かに拡大されました。
一方、ホイールベースは実質的に同一の3,020mmでした。駆動方式はエクスペディション同様、2速トランスファー付のフルタイム4WDの他にFRも設定されました。エンジンは、エクスペディションに用意されていた4.6L及び5.4L V8SOHC「トリトン・ユニット」の内、後者(最高出力230ps/最大トルク45kgm)のみが用意されました。
トランスミッションはエクスペディション同様に、全車4速コラム式トルコンATとの組み合わせでした。サスペンション形式はフロントがショート&ロングアーム/トーションバー式、リアがリジッド・アクスル/エアスプリング式でした。ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。
一方室内は、取り外し可能な3列目シートが備わる他、2列目がキャプテンシートの7人乗り仕様とベンチシートの8人乗り仕様が設定されました。又、インパネやシートはナビゲーター独自の意匠が採用された他、エクスペディションではオプション扱いだった1/2列目バケットシート(※2列目はキャプテンシート仕様の場合)が標準装備されました。
エンジンが2種類に
その他、オプションでムーンルーフやプレミアムオーディオシステムなどが用意されました。そして翌1999年に、エンジン・ラインナップが最高出力260ps/最大トルク49.1kgmにアウトプット向上が図れた5.4L V8SOHCと、最高出力304ps/最大トルク49kgmのアウトプットが備わる5.4L V8DOHC「インテック・ユニット」の2種類となりました。
次いで2000年に実施された仕様変更の際に、SRSサイドエアバッグシステムやカーナビゲーションシステムなどがオプション設定されました。続いて翌2001年のマイナーチェンジでエクステリアに小変更が施されると共に、ビデオエンタテインメントシステムがオプション設定されました。そして2003年にビッグマイナーチェンジが実施され、第2世代に移行しました。