1998年に「エクスペディション」をベースに誕生したリンカーン・ブランドの高級大型SUV「ナビゲーター」は、2007年に4年ぶり2度目ビッグマイナーチェンジを受け、現行第3世代モデルに移行しました。ロングホイールベース仕様が追加された他、後のマイナーチェンジでエンジンがダウンサイジング・ターボに置換されました。
基本メカニズムは先代譲り
ボディ構造はラダーフレーム式を踏襲し、ボディタイプも先代同様5ドアのみが用意されました。スタイリングは基本的なフォルムこそ先代譲りながら、ヘッドランプと一体化された水平基調のフロントグリルが採用された他、前後バンパーやリアコンビネーションランプの意匠も変更されるなど、大きくイメージを変えました。
ボディ・ディメンションは、ショートホイールベース仕様は全長5,293mm×全幅2,002mm×全高1,989mm、ホイールベース3,023mmで、実質的に先代と同等でした。一方ロングホイールベース仕様は、全長が5,672mm、ホイールベースが3,327mmとなっていました。サスペンション形式は、フロント:ショート&ロングアーム式/リア:マルチリンク式による4輪独立懸架が踏襲されました。
駆動方式も従来同様、2速トランスファー付のフルタイム4WDとFRが設定された他、前者には3つの走行モードを選択出来る「コントロールトラック」が採用されました。エンジンは当初、先代から5.4L V8SOHC24V(最高出力304ps/最大トルク50.5kgm)がキャリオーバーされ、トランスミッションはZF製から自社製に変更された6速トルコン式ATが組み合わせられました。
又、走行性能に係る装備として、先代に引き続きロールを監視する「ロールスタビリティコントロール」や横滑り防止装置「アドバンストラック」が採用されました。一方室内は、先代同様3列シート7/8人乗り仕様となる一方、インパネが左右対称の意匠を踏襲しつつ直線基調の形状に変更された他、ドア内張りにウッドパネルが採用されました。
又、装備面では1列目パワーシート&シートヒーター/クーラーや、パワーフォールディングサードシート、パワーリフトゲート、パワーランニングボードなどが標準装備されました。その後2009年の仕様変更により、2列目シートヒーターの標準化など装備の充実化が図られると共に、エンジンの最高出力が10ps高められました。
マイナーチェンジでエクステリアを一新
次いで2015年にマイナーチェンジが実施され、エクステリア面ではフロントマスクやリアコンビネーションランプの意匠が一新された他、インテリア面ではインパネにレザー&ウッド素材が採用されました。同時に、エンジンが3.5L V6直噴ターボ(最高出力385ps/最大トルク63.6kgm)に置換されると共に、6速ATにマニュアルモードが追加されました。
又、パワーステアリングが電動式に変更された他、可変コントロールダンピング・サスペンションが採用されました。第3世代ナビゲーターは、歴代モデルで初めて日本市場への正規輸入が行われました。初上陸は2008年5月で、ショートホイールベース+4WD+左ハンドル仕様のモノグレード設定でした。そして2015年7月にマイナーチェンジ版に切り替えられました。