プジョーは1960年5月、1955年にリリースした小型乗用車「403」の後継モデルとなる「404」を発表しました。403同様ピニンファリーナの手によりデザインされたエクステリアは、直線基調のモダンなフォルムに変貌を遂げていました。又、パワートレインや足回りも改良され、スタイリングの良さと優れたトータルバランスによりロングセラーカーとなりました。
ストラット式フロントサスペンションを採用
ボディタイプは、まず5/6人乗り4ドアセダン「ベルリーヌ」が用意されました。そのサイズは全長4,420mm×全幅1,620mm×全高1,460mmで、403からそれぞれ50mm×50mm×60mmコンパクトになりました。又、ホイールベースも30mm短縮され2,650mmとなりました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは当初ガソリン1.6L直4OHVシングルキャブレター仕様(最高出力72hp)が搭載されました。
4速MTを介しての最高速度は、1.5Lエンジンを搭載する403より15km/h高い150km/hでした。サスペンション形式は、フロントはそれまでのウィッシュボーン/横置きリーフ式からマクファーソンストラット/コイル式に変更され、リアはトルクチューブ+ラジアスアーム/コイル式が踏襲されました。そして同年内に、電磁クラッチ式4速セミAT仕様の「404J」が追加されました。
ボディやパワートレインのラインナップを拡充
更に、追って上級グレード「404SL」及びそのセミAT版「404JSL」が加わりました。次いで翌1961年秋には、1.6L機械式燃料噴射仕様エンジン(最高出力85hp)搭載の2+2シーター・カブリオレ「404C」がラインナップに加わりました。更に1962年になると、1.6L機械式燃料噴射仕様エンジン搭載の4シーター・クーペ「404Co」が登場しました。
又、この年に7人乗り5ドアステーションワゴン「リムジン・ファミリアール」及びその商用版「ブレーク」などもラインナップに加わりました。更に、ベルリーヌにも1.6L機械式燃料噴射仕様エンジン搭載車が設定されました。次いで1963年、ベルリーヌにディーゼルエンジン搭載車2タイプが相次いで追加されました。
ひとつは1.8L直4(最高出力55hp)の「404DA」、やや遅れて登場したもうひとつは1.9L直4(最高出力68hp)の「404D」でした。又、同年秋にガソリンエンジンが5ベアリング式の改良型に変更されました(最高出力は不変)。続いて1964年には、403用のガソリン1.5Lエンジン(最高出力66hp)を搭載する「404A8」が追加されました。
更に1965年、ベルリーヌに同社初のフルオートマチック・トランスミッション車となる、ZF製3速トルコン式AT採用の「404ZF」が追加された他、ガソリン1.6Lキャブレター仕様エンジンの最高出力が76hpに高められました。そして1968年に後継モデル「504」が登場すると、カブリオレとクーペは廃止されたものの、残るモデルは1978年まで生産が続けられました。