事故は車対車、2002年に起こしたというのか合いました。当時、私が乗っていた車は親の車で、トヨタのヴィッツ、年式は1999年で、新車を購入し初めての車検を受けた直後です。足が不自由な年老いた父が助手席に、後部座席には、母と小型の愛犬がひざの上に乗っていました。
突然Uターンした車と衝突
朝から隣の県の神社へお参りに行った帰りで、自宅近くの見通しの良い住宅街で事故がありました。私の前に走っていた三菱パジェロの車が、急にハザードランプをつけて、左に寄り、歩道を乗り上げ、ブレーキランプが点灯して、誰が見ても、停止する様子でした。見通しがいい広い道路で、反対車線からは車は一台も来ていなかったので、私はそのパジェロを大きく避けるように反対車線にふくらみ、抜かそうとしたのです。大きく避けたその時、そのパジェロは、停止せず、猛スピードでUターンしてきました。
私の車の右横にそのパジェロが前を向いて突っ込む瞬間をまるでスローモーションかのように見えました。クラクションを鳴らそうとしたのですが、その1秒前にパジェロはヴィッツの後ろ左ドアに衝突しました。その反動で、ブレーキをかけようとしたのですが、車が左右大きく揺れ、転倒する勢いで、ハンドルをしっかり握るしかできず、ブレーキは踏めませんでした。
ボンネットからは煙が上がり…
当てられた反動と、ブレーキが掛けられなかったので、すごいスピードで左右大きく揺れながら反対側の歩道まで行ってしまいました。最後は歩道にたまたま立ってる住宅標識に正面から当たり、ヴィッツは止まりました。止まった瞬間、ボンネットからは煙が上がり、ヴィッツのタイヤはパンク。左前、後ろのタイヤホイールが道路の遠くまで転がって行く音がしました。
運転している私もびっくりしていると、隣に座っている半身不随の父が「ううっ…」と唸り声を上げてたので我に返り、慌てて「お父さん!」と声を掛けると、シートベルトで胸が締め付けられて胸を痛がっていました。後部座席の母は、車内のどこでぶつけたのか、額に切り傷と少し血がにじんでいました。ひざの上の愛犬もブルブル震えが止まりません。どこか打ったのかもしれません。
私たちだけが被害を受けました
直ぐに相手が下りて、私たちの車に近づいてきました。気づくと、事故現場の周辺の近所の人たちが野次馬状態で、一気に人が集まりました。中にはタバコを吸いながら、近づいて興味津々で見物されました。ラッキーだったことに、たまたま通りかかった消防署へ帰る救急車が慌てて止まり、車の炎上を回避する為、車のあらゆる線を切ってもらいました。
父は念の為、その通りかかった救急車に乗り、母とともに病院へ行きました。相手は、普段一人暮らしをするOLで、まだ社会人1年生のようで、パジェロは、実家に帰ってきて父の車をたまたまペーパードライバーの娘が友達を連れて運転していたようです。
父親が駆けつけ、色々と入れ知恵
警察を呼び、色々説明している最中、先ほどまでいなかった相手側の父親が娘のそばに現れ、耳打ちをして色々悪知恵を教えているように見えました。相手は一切無傷で、車も問題ないとのことで、私たちだけが被害を受けました。
ヴィッツは、ディーラーが近くにあったので、レッカーで運んでもらいました。トヨタのディーラーは「事故に合ってもシートベルトを着用し、正面から当たったら、エアバックはあえて出ません。車体は見るも無残だが、衝撃を吸収し、人の命を守るんだと言う良い宣伝になる」と、私の車をしばらく展示するとの事。何とも言えない気持ちでした。
車は結局勿体ないが廃車となりました。その後の事故解決が大変時間が要するものになり、精神的にも車がないのも辛いしで大変でした。何が大変か、それは保険会社同士では話し合いがすでに決まり、相手が8割、私は2割との事でした。
過失割合に納得せず、相手がサインをせず10ヶ月
保険会社一度決定した事は覆ることは無いと聞いていましたので、私は書類にサインをしたのですが、相手側は8割悪いのが気に入らないとサインを拒み続けました。父の怪我の確認や、お詫びは一切連絡もありませんでした。その態度が余計に腹が立ち、相手は無傷で、車も損傷せず、普段と変わらない生活ができているので、拒否し続けても何ら痛くもかゆくもないのです。
先方にいい加減にしろと電話で催促したときも、ふてぶてしく、一言の配慮の言葉もなく、「昨日、サインしました。」と言われ、さらに気分が最悪になりました。保険の話し合いが終わるまで約10ヶ月の期間が過ぎました。
事故で学んだ事は、事故した精神的ショックは何年もあり、また、搭乗者も巻き込み、さらに気持ちは落ち込みます。相手が自分の過失を認めないタチの悪さには、性別や年齢は関係ないんだとも。そんな人間に関わると、保険関係もなかなか進まず、結局車がない不便な生活が自分に降りかかります。気持ちが落ち込み、腹が立つばかりの感情で本当に疲れると思いました。
事故は何一つ良いことがない
経験から保険会社選びも大切だけど、車を運転している者がみんな正しい動きをするとは限らない、予想しない動きをするんだと思い、車間距離も十分に取り、前の車が止まりそうな雰囲気でもじっくり見て判断する事を心掛けました。
事故は、精神的、時間的、金銭的にも何一つ良いことにならないですからね。今回の事故で不幸中の幸いだった事は、自分達以外には誰も怪我がなかったことです。もし対向車線に車が居たら?反対側の歩道に歩行者が居たら?私の後ろに車が居たら?などを考えたらゾッとします。ちなみに愛犬は動物病院で診てもらいましたが大丈夫でした。一時的な精神的ショックだろうとの診断で、その後は元気です。