
ルノー サフラン (3代目 2010)
2008年に、ルノー傘下の韓国メーカー「ルノーサムスン自動車」が生産するアッパーミドルセダン「SM5」(2代目)の中東向けバージョンとして車名が復活した「サフラン」は、2010年にフルモデルチェンジを受け3代目モデルに移行しました。その実体は、ルノーサムスンが2代目SM5を仕立て直した「ラティテュード」でした。
ベースとなるのは初代日産ティアナ
2代目SM5は、同じルノー傘下企業である日産自動車の初代「ティアナ」にモディファイを加えたモデルで、ラティテュードでは更にそれをベースにフロント廻りやリア廻りの意匠などに変更が加えられていました。ボディサイズは全長4,897mm×全幅1,832mm×全高1,483mmで、2代目サフラン/SM5より全長が僅かに短縮された一方、全幅と全高は若干拡大されました。
又、ホイールベースは僅かに短縮され2,762mmとなった一方、フロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式のサスペンション形式は踏襲されました。駆動方式は2代目サフラン/SM5に引き続きFFのみの設定となり、ティアナには設定のあるフルタイム4WDは現在まで用意されていません。
用意されるエンジンは2種類

ルノー サフラン (3代目 2010)
ベースモデルであるティアナは当時既に2代目に移行しており、エンジンは2.5L直4のQR25DE型、2.5L V6のVQ25DE型、3.5L V6のVQ35DE型のガソリン3種類が用意されていました。それに対し3代目サフランでは、これらのうちVQ25DE型(最高出力180hp/最大トルク24kgm)と、先代から受け継いだ同じく日産製の2L直4ユニットM4R型(最高出力140hp/最大トルク19.9kgm)が用意されました。
トランスミッションはVQ25DE型には6速トルコン式ATが、M4R型には6速MT又は無段変速機「エクストロニックCVT」が組み合わせられ、全車4速トルコン式ATだった先代に対し伝達効率面で進化したものとなりました。又、ブレーキは初代/2代目ティアナ同様、フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。
ラティテュードは釜山にあるルノーサムスンの工場で生産され、デビュー同年から翌年に掛けて世界各地への輸出が開始されました。その内、一部の中東地域やメキシコのみサフランの車名で輸出されました。一方、2011年に輸出が開始された欧州向けラティテュードは搭載エンジンが異なり、2L直4と3L V6のディーゼルターボが用意されました。
前者は、最高出力150hp/最大トルク34.7kgmと最高出力175hp/最大トルク36.7kgmの2種類の仕様が設定され、後者は最高出力240hp/最大トルク45.9kgmのスペックでした。その後、2015年に後継モデル「タリスマン」がデビューし、欧州各国でのラティテュードの販売は終了となったものの、サフラン及び新興国向けラティテュードはそのまま販売が継続されています。