1961年に初代モデルがデビューした富士重工業の軽自動車「スバル・サンバー」は、1990年3月に軽自動車規格変更に適合する為4度目のフルモデルチェンジを受け、5代目モデルに移行しました。新規格に合わせボディが延長されると共にエンジンが一新され、新たにMSC(メカニカルスーパーチャージャー仕様)も用意されました。
エンジンは660cc4気筒を採用
ボディタイプはトラックとワンボックス型の商用バン及び乗用ワゴン「サンバートライ」が用意され、スタイリング面ではワンボックス型に抑揚のあるベルトラインが採用されるなどイメージチェンジが図られました。ボディサイズは全長3,295mm×全幅1,395mm×全高1,760~1,895mmで、規格変更に合わせ全長が先代から100mm延長されました。同時にホイールベースも80mm延長され、1,885mmとなりました。
駆動方式は、先代同様RR/パートタイム4WD/フルタイム4WDが設定され、サスペンション形式は全車先代4WD車と同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式に統一されました。又、先代では4WDのみに採用されたフロント・ベンチレーテッドディスクブレーキが全車に標準化されました。
エンジンは従来の550cc直2SOHCに代わり660cc直4SOHC NA/MSCのEN07型が採用されました。最高出力/最大トルクは当初NA仕様が40ps/5.5kgm、MSC仕様が55ps/7.1kgmでした。トランスミッションは5速MTの他、MSC車には軽乗用車「レックス」譲りのベルト式無段変速機ECVT(CVT)が用意されました。
サンバートライからサンバーディアスに
サンバートライのグレード体系は、下からNAエンジン搭載の「RJ」「ディアス」、MSCエンジン搭載の「XSスーパーチャージャー」「ディアスⅡスーパーチャージャー」「XVスーパーチャージャー」のラインナップでした。そして1992年10月にマイナーチェンジが実施され、サンバートライの車名が「サンバーディアス」に変更されました。
サンバーディアスのグレード体系は、NAエンジン搭載の「ディアスエクストラS」「ディアスサンサンルーフ」、MSCエンジン搭載の「ディアスⅡスーパーチャージャー」「ディアスⅡサンサンルーフスーパーチャージャー」の4タイプでした。次いで1994年6月、サンバーディアスにレトロ調のフロントマスクが備わるNAエンジン搭載グレード「ディアスクラシック」が追加されました。
続いて1995年10月の一部改良で、サンバーディアスのNAエンジンが電子燃料噴射仕様(最高出力46ps/最大トルク5.6kgm)に変更されると共にグレード体系が一部変更され、NAエンジン搭載の「ディアス-S」「ディアスクラシック」「ディアス-Sサンサンルーフ」、MSCエンジン搭載の「ディアスマレッサⅡスーパーチャージャー」「ディアスⅡサンサンルーフスーパーチャージャー」のラインナップとなりました。
次いで1997年11月の一部改良でECVTが廃止され、代わって3速トルコン式ATが設定されました。そして1999年2月にフルモデルチェンジが実施され、6代目モデルに移行しました。