
テスラ モデルX (2015)
EVを専門とするアメリカの自動車メーカー、テスラモーターズは、2012年2月に同社のEV第3弾モデルとなるクロスオーバーSUV「モデルX」を発表しました。SUVのスタイリングとミニバンの実用性、そしてスポーツカーの走行性能を兼ね備えたモデルとして開発され、SUVトップレベルのパフォーマンスや長大な航続距離をセリングポイントとしていました。
独自の後席用ドアを採用

テスラ モデルX (2015)
ボディタイプは5ドアで、室内は2-2-2シート配列の6人乗り仕様と2-3-2シート配列の7人乗り仕様が用意されました。前席用ドアは通常の前ヒンジ式となるものの、後席用ドアに「ファルコンウィングドア」と呼ばれるダブルヒンジ式のガルウィングドアが採用されたことが特徴でした。このドアは、左右の空間が28cmあれば開閉できる利便性と、障害物を検知すると動作を停止する安全性が備わっていました。
さらに、キーを携帯して近づくと自動で開き、運転席に座ると自動で閉まる機能も備わっていました。エクステリア・デザインは、4ドアセダン「モデルS」に類似した意匠のフロントマスクとエアロダイナミクスを追求した流麗なフォルムを備えており、空力特性の指標となるCd値はSUVトップの0.24を実現していました。
トップグレードは0-100キロ加速約3秒の性能

テスラ モデルX (2015)
また、市販車で最大級のガラスエリアを持つ「パノラミックウインドシールド」の採用も特徴でした。ボディ・サイズは全長5,037mm×全幅2,070mm×全高1,680mmで、モデルSよりも一回り大きいものでした。ホイールベースはモデルSと共通の2,965mmで、車両重量は2,468kgでした。駆動方式は、前後に1基ずつのモーターを搭載するフルタイム4WDが採用されました。
グレードは、モーターの性能やバッテリー容量の異なる「60D」「75D」「90D」「100D」の4タイプがラインナップされました。もっとも性能の高い100Dのシステム出力は最高出力539ps/最大トルク98.6kgmで、0-100km/h加速3.1sのパフォーマンスを発揮しました。また、一充電あたりの航続距離も565kmに達しました。
完全自動運転を実現

テスラ モデルX (2015)
装備面では、ナビゲーション機能やマルチメディア機能、エアコンなどのコントロール機能を持つ17インチタッチスクリーン式インフォテインメントシステムが全車に採用されました。また、モデルSに引き続き完全自動運転対応ハードウェア「エンハンスト オートパイロット」が搭載されました。
その内容は、先行車への自動追従走行を行うアダプティブクルーズコントロールや車線維持システム、自動車線変更システムなどから構成されるもので、ナビで目的地を設定すれば、すべてクルマ任せで自宅からの発進から目的地での駐車までこなす機能が備わっていました。さらに、スマートフォンとの連携により自分のもとに呼び戻すことも可能でした。
また、予防安全装備として「自動緊急ブレーキ」「側方衝突警告」「正面衝突警報」なども装備されました。