レーシングドライバーのキャロル・シェルビー率いるシェルビー・アメリカン社は、1965年にフォード・モーターのポニーカー、初代「マスタング」をベースとしたレース用ホモロゲーションモデル「シェルビー・マスタング・GT350」をリリースしました。通称「シェルビー・マスタング」とも呼ばれるこのモデルは、ベースモデルを大幅にしのぐパフォーマンスを備えていました。
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まずはファストバックが登場
ボディタイプはマスタングに用意された3タイプのうち、まずファストバックと呼ばれる2ドア・ハードトップクーペが選択されました。エクステリア・デザインはベースモデルから大きな変更はなかったものの、ボンネットフードやフロントバンパーのストライプ、サイド排出のデュアルエキゾーストパイプ、専用の15インチホイールなどにより識別が可能でした。
ボディ・ディメンションは全長4,613mm×全幅1,732mm×全高1,297mm、ホイールベース2,743mmで、全高のわずかな相違をのぞきベースモデルと共通でした。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは「マスタング289」に搭載される4.7L V8OHVシングルキャブレター仕様「ウィンザー」のチューニング版が搭載されました。
スペックは最高出力310ps/最大トルク45.5kgmで、35ps/2.4kgmのアウトプット向上を果たしていました。組合せられるトランスミッションは、4速MTのみの設定でした。サスペンション形式は、マスタング同様のフロント:ウィッシュボーン/コイル式・リア:リジッド・リーフ式が踏襲されました。一方、ブレーキはフロントがドラム式からディスク式にアップグレードされました。
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コンバーチブルや高性能版を追加
また、リアはドラム式を踏襲しながらも大径の専用品が装備されました。室内はリアシートが撤去され、2シーター仕様となっていました。その後、1966年モデルで車名が「シェルビー・GT350」に変更されるとともに仕様が一部変更され、エクステリア面ではエキゾーストパイプが後方排気に変更されました。
また、オプションで最高出力が446psまで向上するスーパーチャージャーをはじめ、3速トルコン式ATやリミテッドスリップデフ、折り畳み式のリアシートなどが設定されました。次いで1967年モデルでフェイスリフトが実施され、フロントまわりやリアまわりの意匠変更と同時に、7L V8OHVエンジンを搭載する「GT500」とその2ドアコンバーチブル版「GT500コンバーチブル」が追加されました。
続いて1969年モデルでは、GT350のエンジンが5.8L V8OHVに置換されました。そして1970年をもってアメリカ国内での生産は打ち切られたものの、翌1971年にベルギーのクロード・デュボアにより1年間のみヨーロッパ向けモデルの生産が行われました。
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