トヨタは1997年5月に、後席用両側スライドドアを採用した2列シート5人乗りのコンパクト・トールワゴン「ラウム」を発売しました。フラットフロアに加えコラムシフトと足踏み式パーキングブレーキを採用した事で、前後席ウォークスルーを実現していました。又、当時のスライドドア装着車には珍しく、昇降式のサイドウィンドウが備わる点も特徴の一つでした。
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ボディはやや高めの全高が特徴
ボディサイズは全長4,025mm×全幅1,685mm×全高1,535~1,590mmの5ナンバーサイズで、一般的なハッチバック車やステーションワゴンよりも全高がやや高めに設定されていました。ホイールベースはこのクラスとしては長い2,520mmで、車両重量は1,080~1,200kgでした。サスペンション形式はフロントにストラット式、リアにトーションビーム式が採用されました。
駆動方式は当初FFのみの設定だったものの、追って8月にリアサスペンションにトレーリングリンク式を採用するフルタイム4WDが追加されました。エンジンは1.5L直4DOHCの5E-FE型のみの設定で、スペックはFF用が最高出力94ps/最大トルク13.5kgm、4WD用が最高出力91ps/最大トルク13.2kgmでした。トランスミッションは、全車電子制御4速トルコン式ATとの組み合わせでした。
発売当初のグレード体系は、グレード名無しのベースグレードの他、装備を簡略化した「Eパッケージ」(FF車のみ)、オートエアコンや電動格納式リモコンドアミラーなどが備わる「Cパッケージ」、エアロパーツが装着される「Sパッケージ」、カラード・ルーフレールやカラード・アウトサイドドアハンドルなどが備わる「Gパッケージ」がラインナップされました。
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トヨタ ラウムのCM
フロント・ベンチシート仕様を追加
又、安全装備として全車にSRSデュアルエアバッグシステム、ABS、ブレーキアシスト、プリテンショナー&フォースリミッターシートベルトが標準装備されました。そして1998年8月の一部改良で、フロント・ベンチシートの採用により前席内ウォークスルーを実現した「ペア・ベンチシートタイプ」が追加され、従来のフロント・セパレートシート仕様は「ウォークスルータイプ」と命名されました。
次いで1999年8月にマイナーチェンジが実施され、内外装や仕様の一部変更と共に、グレード体系が見直されました。従来は1種類のベースグレードが基本であったのに対し、フロント・セパレートシート+リア・ベンチシート仕様の「セパレート」、フロント・セパレートシート+リア・ダブルフォールディングシート仕様の「フラットデッキ」、フロント・ベンチシート+リア・ベンチシート仕様の「ペア・ベンチ」の3タイプが設定されました。
そして、それぞれに「Cパッケージ」「Gパッケージ」「Sパッケージ」が設定され、FF車に用意されていた「Eパッケージ」は廃止されました。次いで2002年4月に一部改良が実施され、エンジンの改良によりFF車が「平成12年基準排出ガス25パーセント低減レベル」を達成しました。又、最高出力がFF/4WD車共に91psに、最大トルクがFF車が13.3kgm、4WD車が13.2kgmになりました。
そして2003年5月にフルモデルチェンジが実施され、2代目Z20型に移行しました。