2002年にボルボ・カーズ初のクロスオーバーSUVとした誕生した「XC90」は、2015年に13年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、現行型に移行しました。先代からプラットフォームや内外装など全面的なリニューアルが施されると共に、パワートレインのダウンサイジング化による燃費改善や、最新の安全運転支援システム導入による安全性能の向上が実現しました。
プラグインハイブリッド車も用意
新開発の「SPA」と呼ばれるプラットフォームに架装される5ドアボディは、モダンなエクステリア・デザインの採用と共に空力特性も向上、Cd値は先代を0.03ポイント下回る0.33を実現しました。ボディサイズは全長4,950mm×全幅1,923mm×全高1,776mmで、全高を除き先代から一回り拡大された他、ホイールベースも100mm以上延長され2,984mmとなりました。
その一方で、プラットフォームの刷新に伴い車両重量は大幅に軽量化されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式からダブルウィッシュボーン式に変更され、リアはマルチリンク式が踏襲されました。又、新たにエアサスペンションが設定されました。駆動方式は先代同様、FFとフルタイム4WDが設定されました。
エンジンは当初、2L直4ガソリン・ツインチャージド(最高出力320ps/最大トルク40.8kgm)と2L直4ディーゼル・ツインターボ(最高出力225ps/最大トルク47.9kgm)の他、前述の2L直4ガソリン・ツインチャージドエンジンとモーターを搭載し、システム最高出力407psの性能を持つプラグインハイブリッドユニットが設定されました。
TFTメーターパネルを採用
トランスミッションはMTが廃止され、全車8速トルコン式ATとの組み合わせとなりました。一方インテリアは、エクステリア同様全面的に刷新され、12.3インチTFTメーターパネルやタッチスクリーン式センターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイが備わるモダンなデザインが採用されました。又、インフォテインメントシステムには、同社独自の「SENSUS(センサス)」が採用されました。
シート配列は、先代同様2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様が設定されました。安全装備としては、衝突被害軽減ブレーキ「シティ・セーフティ」などの従来からの技術に加え、世界初の機能として道路逸脱事故時保護システム「ランオフロード・プロテクション」及び右折時対向車検知機能「インターセクション・サポート」が採用されました。
そして2016年に、2L直4ガソリンターボ(最高出力254ps/最大トルク35.7kgm)及び2L直4ディーゼル・シングルターボ(最高出力190ps/最大トルク40.8kgm)の2種類のエンジンがラインナップに加わりました。日本市場には2016年1月、ガソリンエンジン及びプラグインハイブリッドユニットを搭載するフルタイム4WD仕様車が初上陸しました。
グレード体系は、ガソリンターボの「T5 AWDモーメンタム」、ガソリンツインチャージドの「T6 AWD Rデザイン」「T6 AWDインスクリプション」、プラグインハイブリッドの「T8ツインエンジンAWDインスクリプション」がラインナップされました。そして8月に、プラグインハイブリッドの上級グレード「T8ツインエンジンAWDエクセレンス」が追加されました。