1973年に空冷リアエンジン方式の「タイプⅠ」や「タイプⅢ」などに取って代わる新世代の水冷エンジンFF車として誕生したフォルクスワーゲンの小型車「パサート」は、1981年に8年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目B2型に移行しました。ベースモデルが初代アウディ・80から1978年に登場した2代目アウディ・80に変更された他、途中から4WDモデルが追加されました。
ラインナップを整理
ボディタイプは2ドア/4ドアセダンと3ドアハッチバックが廃止され、5ドアハッチバックと5ドアステーションワゴン「ヴァリアント」の2タイプに整理されました。スタイリングは、先代の流れを汲む直線基調のフォルムが踏襲された一方で、ヘッドランプが丸型から角型に変更されるなどイメージの刷新も図られました。
ボディサイズは全長4,435mm(ハッチバック)/4,540mm(ヴァリアント)×全幅1,685~1,707mm×全高1,385~1,392mmで、先代から一回り拡大されました。ホイールベースは2代目アウディ・80と共通の2,550mmで、先代からは80mm延長されました。サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式が踏襲されました。
駆動方式はエンジン縦置き式のFFを踏襲し、エンジンは1.3L/1.5L/1.6L/1.8L/2Lの直4SOHCガソリンと、1.9L/2.2Lの直5SOHCガソリン、そして1.6L/1.8Lの直4SOHCディーゼルが用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。又、ステアリング形式はラック&ピニオン式が、ブレーキはフロント:ディスク式/リア:ドラム式が踏襲されました。
4ドアセダン版「サンタナ」を追加
そして翌1981年、プラットフォームや基本メカニズムを共通する4ドアセダンが「サンタナ」の車名でリリースされました。ボディ形状はファストバックの2ボックス型だった初代パサート・セダンと異なり、ノッチバックの3ボックス型が採用されました。次いで1984年、「アウディ・80クアトロ」と共通のフルタイム4WDシステムを採用する「シンクロ」が追加されました。
搭載エンジンは2L直5SOHCガソリンで、FF車よりも大径かつハイトの高い14インチタイヤの採用によりロードクリアランスが拡大されていました。次いで翌1985年にマイナーチェンジが実施され、エクステリア面ではフロントグリルやリアコンビネーションランプの意匠変更、前後バンパーの大型化が行われた他、インテリア面でも仕様の変更が行われました。
そして1988年にフルモデルチェンジが実施され、3代目B3型に移行しました。