フォルクスワーゲンの大型クロスオーバーSUV「トゥアレグ」は、ポルシェとの共同開発により初代モデルが2002年にデビューし、同じく共同開発による2代目モデルが2010年に登場、2011年1月から日本で販売が開始されました。パワートレインの変更などにより先代から燃費や環境性能が大幅に向上した他、安全装備の充実が図られるなど、時代の流れに則したモデルに生まれ変わっています。
スタイリングは先代同様に威圧感のない穏やかな雰囲気を踏襲しながらも、新世代フォルクスワーゲン車に共通する水平基調のフロントマスクの採用によりイメージチェンジが図られました。ボディサイズは全長4,800mm×全幅1,945mm×全高1,740mmで、先代より拡大された堂々たる体躯となる他、ホイールベースも50mm延長され2,905mmとなりました。車両重量は、V6エンジン車同士の比較では70kg軽い2,190~2,340kgとなりました。
新V6エンジンとハイブリッドでスタート
パワートレインは一新され、先代の3.6L V6及び4.2L V8エンジン+6速トルコン式ATから、アイドリングストップ機構と減速エネルギー回生機構が備わる新3.6L V6エンジン(最高出力280ps/最大トルク36.7kgm)及びハイブリッド(最高出力333psの3L V6スーパーチャージドエンジン+最高出力46psのモーター)+8速トルコン式ATとなりました。10.15モード燃費は、先代の6.7~6.9km/Lから9.5~13.8km/Lへと大きく向上しました。
駆動方式は、V6エンジン搭載グレード「V6」、ハイブリッドシステム搭載グレード「ハイブリッド」ともにフルタイム4WDを採用しながらその方式は異なり、前者が先代同様の電子制御多板クラッチ式センターデフを備える「4XMOTION」で、後者はトルセンLSD採用の「4MOTION」となります。サスペンション形式は、先代同様の4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲します。
装備面では、両モデルにSRS9エアバッグシステムやHDDナビゲーションシステム、アラウンドビューカメラ「エリアビュー」が備わる他、ハイブリッドには前車との衝突被害を軽減・回避する「フロントアシスト」や前車追従型の「アダプティブクルーズコントロール」、車線逸脱を防止する「レーンキープアシストシステム」、車線変更をアシストする「レーンチェンジアシストシステム」が標準装備されます。
改良で安全装備の充実を図り、ハイブリッドは廃止
そして2012年12月に一部改良を行い、V6車のグレード名が「V6 BlueMotion Technology」に変更されると共に、ハイブリッドを含めドライバー疲労検知システムが装備されました。又、従来前車接近時に警告やブレーキアシストなどを行うのみだった「フロントアシスト」が、自動ブレーキ機能(衝突被害軽減ブレーキ)を持つ「フロントアシストプラス」にアップグレードされました。
そして2015年2月にマイナーチェンジを実施し、内外装の変更と共にハイブリッドがカタログ落ちし、「V6」及び「V6アップグレードパッケージ」の2グレードになりました。同時に、両グレードに「フロントアシストプラス」や「アダプティブクルーズコントロール」、二次衝突を防ぐ「マルチコリジョンブレーキ」が、更に「V6アップグレードパッケージ」には「レーンキープアシストシステム」と「レーンチェンジアシストシステム」が装備されました。