スズキ ワゴンR (最新型 5代目 MH34S 2012):軽量化とエネチャージ搭載で燃費が向上

スズキ ワゴンR 最新型の特徴

「ワゴンR」は、2012年9月に実施されたフルモデルチェンジにより、5代目となりました。伝統とも言うべきキープコンセプトのモデルチェンジにより、スタイリングは先代の雰囲気を色濃く残している一方、プラットフォームは一新されています。

ボディサイズは、全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,640mm~1,660mmで、空気抵抗軽減を目的として全高が先代よりも若干下げられています。又、ホイールベースは2,425mmで、先代よりも25mm延長されています。

燃費改善の為、軽量化と共に数々の新機構を搭載

5代目モデル最大の特徴は、端的に言うとボディの大幅な軽量化と新機構「エネチャージ」等の搭載により、燃費の大幅な向上を実現した事にあります。まず、軽量化に関しては、ボディに高張力鋼板を多用して重量を軽減した他、エンジンや足回り、内装部品も見直すなど、徹底的な対策が行われています。その結果、先代より最大70kg軽量化され、780kg~870kgという軽トールワゴン最軽量レベルの車両重量を実現しています。

次に、エネチャージとは、リチウムイオンバッテリーとオルタネーターを組み合わせた減速エネルギー回生機構の事で、燃費向上に貢献するものです。更に、時速13km/h以下で作動するよう進化した新アイドリングストップ機構や、エアコン使用時でもアイドリングストップ時間を拡大する「エコクール」も併せて採用するなど、徹底的な燃費向上対策が行われています。

パワートレインを改善し、快適性も向上

そして、燃費改善対策は、パワートレインにも及んでいます。従来のK6A型エンジンに代わり、低燃費と軽量化、フリクション低減などを実現した、新開発のR06A型エンジンが搭載されています。NAとターボが用意される点は同様ですが、ターボは「スティングレー」のみに搭載されます。最高出力と最大トルクは、NAが52ps/6.4kgmで、ターボが64ps/9.7kgmとなっています。又、トランスミッションは、燃費性能の優れたCVTに一本化されました。

そして、燃費以外の面でも、様々な部分に改良のメスが入れられています。室内長の延長や後席レッグスペースの拡大による居住性の向上や、エンジンマウントの改良や防音材・制振材の最適化による静粛性の向上、全グレードにオートエアコンの装備など、快適性の点でも着実に進化しています。

マイナーチェンジで、更なる燃費向上と安全性向上

そして、2013年7月にマイナーチェンジが実施され、全グレードの燃費が更に向上すると共に、赤外線レーザー方式による衝突被害軽減ブレーキシステムやESPをセットオプション設定するなど、安全装備も充実しました。

次いで、2014年8月のマイナーチェンジの際には、「エネチャージ」が「S-エネチャージ」へと進化します。これは、モーター機能付き発電機「ISG」を搭載し、モーターでエンジンをアシストする事により燃費の改善を図る、簡易的なハイブリッドシステムです。その他、エンジンやアイドリングストップ機構も改良され、燃費が一層向上しています。

最も燃費の良いグレードで32.4km/Lに達し、先代の最高燃費グレードの25km/Lを大きく凌いでいます。

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スズキ ワゴンRの歴史

スズキの軽トールワゴン「ワゴンR」は、初代モデルが1993年に発売され、それ以来代を重ね現行モデルは既に5代目になります。登場以来、常に販売台数ランキングの上位にランクインし、スズキとして近年最大のヒット作となっています。しかし当のスズキも、初代モデル発表の時点では、ここまで市場に受け入れられるとは予想していませんでした。

ワゴンR開発の経緯と車名の由来

ワゴンR開発の経緯は、新しいカテゴリーの車種を投入する事により、競合他社との差別化を図りたい意図がありました。1993年以前は、スズキも含め各メーカーから販売されていた軽乗用車の主力車種は、2ボックスのハッチバックセダンでした。それらは、全高の数値が全幅の数値と同程度のディメンションであり、室内空間はお世辞にも広いとは言えませんでした。

又、商用ワンボックス車ベースのワゴンが各社から販売されていましたが、セダンタイプと比較すると居住性は優れていたものの、フロアが高い為乗降性が悪く、全高が非常に高い為走行安定性に劣る欠点がありました。そうした状況の中で、スズキはセダンとワンボックスの長所を併せ持つ新しいカテゴリーを模索し、その結果ワゴンRの開発に繋がりました。

「ワゴンR」という車名の由来は、ワゴンは文字通りワゴン車の意味ですが、「R」は「革新」を意味する英単語であるレボリューション、及び「寛ぎ」を意味するリラクゼーションから、頭文字であるRを取ったものです。ただ、これは公式発表で、実際には「ワゴン(も)あ~る?」というダジャレのような由来があるとも言われています。

賭けだった市場投入と、予想以上の人気

それ以前にも、商用車ではあったものの、類似したコンセプトの車種として、1972年から1974年に掛けて販売された「ホンダ・ライフステップバン」がありました。

honda_life_stepvan_1972_1しかし、商業的には失敗に終わり、他社からフォロワーが登場する事もありませんでした。そうした経緯があった為、当時とは軽自動車を取り巻く状況が変わっていたとはいえ、ワゴンRの投入は賭けでした。

しかし、いざ発売されるや否や、ワゴンRは老若男女を問わず幅広い層から支持され、たちまちベストセラーカーとなります。元々、ニッチなユーザー層をターゲットとした為、当初の販売目標はごく控えめなものでした。その目標を遥かに上回る人気に、当のスズキ自身が非常に驚いたと言われています。

ワゴンR 人気の要因

これ程までに大衆にワゴンRが受け入れられたのは、ハッチバックセダンを遥かに凌ぐ居住性を備えていた上、乗降性がそれまでのどの軽自動車よりも優れていた事が一因でした。市街地の足として利用される軽自動車は、乗り降りする機会が多い為、乗降性の良さはユーザーに喜ばれました。

又、セダンよりは車高が高かったものの、ワンボックス車程の極端な高さではなく、セダンに準じた走行安定性を備えていた点も、支持を集めた要因でした。そして、スタイリングも機能美が感じられるものであり、それまでの軽自動車にはないクラスレスな雰囲気を醸していた事も、ヒットの一因となりました。

ワゴンRの大成功は、競合他社にも大きな影響を与え、後に「ダイハツ・ムーヴ」をはじめとして、フォロワーが続々と登場する事になります。ワゴンRが開拓した軽トールワゴンという新しいカテゴリーは、今や完全に軽乗用車のメインストリームとなり、深く市場に浸透しています。そしてワゴンR自体も、トールワゴンの代名詞であり続けています。

過去4度のフルモデルチェンジはいずれもキープコンセプトによるもので、「ワゴンR」というアイコン性を維持しつつ、かつ走行性能や安全性、快適性の向上も怠らず、常に競合他車と同等以上の魅力を維持している点が、人気の要因となっています。

スズキ ワゴンRの歴代モデル

初代 CT21S (’93~’98):軽乗用車に新ジャンルを切り開きベストセラーに

初代「スズキ・ワゴンR」は、軽乗用車初のトールワゴンとして、1993年9月に発売されました。スタイリングは、直線を基調としたボクシーなもので、シンプルかつ機能美が感じられるものでした。又、後席用ドアが左側のみに備わる4ドア仕様(ハッチゲートを含めて4ドア)であった点が、特徴でした。

ボディサイズは、全長と全幅は当時の軽自動車規格に則り、3,295mm×1,395mmという標準的なものでしたが、全高が当時のハッチバックセダンよりも遥かに高い1,640mm~1,695mmに設定されているのが特徴でした。その為、ヘッドクリアランスが大きく居住性が優れていた上、着座位置も高めに設定されたので、視界も良好でした。初代ワゴンRの詳細へ

2代目 MC21S/11S (’98~’03):キープコンセプトで手堅くフルモデルチェンジ

1998年10月、軽自動車の規格改正のタイミングに合わせ、「ワゴンR」はフルモデルチェンジを受け2代目となりました。キープコンセプトによる手堅いモデルチェンジで、一目でワゴンRと分かるアイコン性を備えていましたが、初代モデルと比較するとボディが拡大された他、ボディラインが若干ふくよかになるなどの変化も見られました。

ボディサイズは、全長と全幅が新規格いっぱいの3,395mm×1,475mmまで拡大された一方、全高は先代とほぼ同等の1,640~1,685mmでした。ボディ拡大に伴う車両重量の増加は、徹底した軽量化対策により20kg程に抑えら、大幅な重量増を招いた競合車種に差を付けました。又、最小回転半径は先代よりも0.4m小さい4.2mとなり、取り回し性はむしろ向上しました。2代目ワゴンRの詳細へ

3代目 MH21S/22S (’03~’08):キープコンセプトながら、直噴ターボ、スティングレー追加

前回と同様キープコンセプトのモデルチェンジで、一目でワゴンRと分かる記号性を維持しながら、ボディラインは初代を彷彿とさせる直線基調のものとなり、2代目と比較すると男性的なイメージに変貌しました。これは、女性的なスタイリングを持つ姉妹車種「MRワゴン」との差別化を意図したものでした。又、この代から4ドア仕様が廃止され、5ドアに統一されました。

プラットフォームは刷新され、基本性能向上が図られました。車両重量は800kg~910kgとなり、先代よりもかなり重くなっていました。3代目ワゴンRの詳細へ

4代目 MH23S (’08~’12):パッケージングや燃費が向上。外観もアグレッシブに

4代目はワゴンRの恒例とも言えるキープコンセプトのモデルチェンジながら、スタイリングに新たな試みが取り入れられたのが特徴でした。積極的にプレスラインを取り入れ、抑揚の効いたスタイリングへと変貌すると共に、リアクォーターピラーの窓を廃止し、伝統の6ライトを捨てた事も大きな変化でした。

特にノーマルタイプのワゴンRは、異形デザインのヘッドランプを採用した事により、従来の大人しいイメージから脱皮し、アグレッシブな雰囲気に変わりました。4代目ワゴンRの詳細へ

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