1961年に初代モデルがデビューした富士重工業の軽商用車「スバル・サンバー」は、1982年9月に8年半ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け、4代目モデルに移行しました。ライトバンがレクレーションビークルと位置付けられ、新たに「サンバートライ」の名称が与えられた他、後にトラックと共にサンバーシリーズ初のフルタイム4WD車が追加されました。
ハイルーフ車を設定
スタイリング面では大型のフロントグリルが廃止され、グリルレスのすっきりしたフロントマスクに変貌しました。又、トラックに業界初のハイルーフ仕様車「ハイトラ」が設定された事も特徴でした。トラック標準ルーフ仕様車のボディサイズは全長3,195mm×全幅1,395mm×全高1,615mmで、先代から全高が40mm低くなり、ホイールベースは75mm延長され1,805mmとなりました。
車両重量は580kgで、先代から10kg軽量化されました。サスペンション形式は当初、全車に先代と同様の4輪セミトレーリングアーム式が採用されました。駆動方式も同様にRRとパートタイム4WDが設定され、エンジンも4ストローク550cc直列2気筒2バルブ仕様のEK23型が踏襲されました。スペックは最高出力29ps/最大トルク4.4kgmで、先代から1ps/0.2kgmのアウトプット向上を果たしていました。
トランスミッションは、FF車には先代同様の4速MTが、4WD車にはエクストラロー付きの4速MTが組み合わせられた他、サンバートライ「FL」「FX」にオートクラッチ仕様が設定されました。そして1983年9月に、サンバートライにハイルーフ仕様の「TL」「FX-5」が、翌10月にはトラックにLPG車が追加されました。
5速MT車や3バルブエンジン搭載車を追加
次いで1984年10月の一部改良で、サンバートライにフロントローバックシートとピロー付きリアシートを装備し、5速MTを採用する上級グレード「TX-G」「FX-G」が追加されました。同時に、トラック・ハイルーフ車にも5速MTが設定されました。次いで1986年の一部改良で全車に前席ELRシートベルトが装備された他、TX-G/FX-Gに代わり「TG」「FG」が設定されました。
続いて1987年9月のマイナーチェンジにより、サンバートライ標準ルーフ全車とハイルーフ下位グレードが「サンバーバン」として分離されると共に、サンバートライ/トラックに3バルブ仕様エンジン(最高出力34ps/最大トルク4.4kgm)搭載車が追加されました。同時に、スバル独自のフリーランニング式を採用したフルタイム4WD車が追加されました。
又、4WD車のフロントサスペンションにマクファーソンストラット式が採用された他、フロントブレーキがドラム式からベンチレーテッドディスク式に変更されました。そして1990年2月にフルモデルチェンジが実施され、5代目モデルに移行しました。