トヨタ自動車は1992年1月、2年前にデビューしたミニバン「エスティマ」の弟分となる「エスティマエミーナ」(トヨタ店扱い)及び「エスティマルシーダ」(トヨタカローラ店扱い)を発売しました。タマゴ型のフォルムを持つモノボックスボディやミッドシップ方式をエスティマから受け継ぎながら、日本の道路事情に配慮し全幅を5ナンバーサイズに縮小したモデルでした。
基本メカニズムはエスティマと共通
ボディタイプはエスティマ同様、助手席側にのみ後席用スライドドアが備わる4ドアで、スタイリングも側面から見る限りエスティマそのものでした。シートレイアウトも同様に、2-2-3配列の7人乗り仕様と2-3-3配列の8人乗り仕様が設定されました。ボディサイズは全長4,690mm×1,690mm×全高1,780~1,810mmで、エスティマに対し全長が60mm、全幅が110mm縮小されていました。
ホイールベースは同一の2,860mmで、車両重量はボディ容積の縮小分軽量化され1,560~1,820kgとなりました。サスペション形式はエスティマと共通で、フロントがストラット式、リアは上級グレードのみダブルウィッシュボーン式独立懸架でそれ以外は4リンク・リジッド式でした。駆動方式も同様に、後輪駆動とビスカスカップリング式のフルタイム4WDが設定されました。
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ディーゼル車やMT車も用意
車体中央の床下部分に搭載されるエンジンは、エスティマと共通の2.4L直4DOHCガソリンNAの2TZ-FE型(最高出力135ps/最大トルク21kgm)に加え、2.2L直4SOHCディーゼルターボの3C-T型(最高出力100ps/最大トルク22kgm)が用意されました。又、トランスミッションはコラムシフト4速トルコン式ATの他にフロアシフト5速MTが設定される点も、エスティマとの相違点でした。
グレード体系は、ガソリン車が下から「F」「X」「S」「G」の4タイプ、ディーゼル車が「D」「F」「X」「G」の4タイプが基本で、更にアルミホイールやリアスポイラーなどが装備される「ラグジュアリーパッケージ」と、「ツインムーンルーフ仕様車」が設定されました。そして1993年8月の一部改良で、ディーゼル車のエンジンがEFI仕様の3C-TE型(スペックは従来と同一)に変更されました。
同時にボディカラーの変更が行われた他、全高を120mm、室内高を65mm拡大した「ジョイフルキャノピー仕様車」が追加され、従来の標準ルーフ仕様車は「ミドルルーフ仕様車」と名付けられました。次いで1995年1月にマイナーチェンジを受け、エミーナ/ルシーダそれぞれで異なるフェイスリフトが実施されました。
続いて1996年8月に実施された2度目のマイナーチェンジでは、内外装の変更と共に、全車にABSやSRSデュアルエアバッグシステム、チャイルドシート固定式シートベルトが標準装備されました。そして2000年1月に実施されたエスティマのフルモデルチェンジに伴い、2代目エスティマに統合される形で一代限りで生産終了となりました。
販売面では、日本向きとなったボディサイズや相対的に安くなった価格などから、初期においては兄貴分のエスティマを大きく凌ぐ成功を収めました。
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