三菱自動車は1995年11月、前年にリリースした軽クロスカントリーSUV「パジェロミニ」をベースにしたコンパクトなクロスカントリーSUV「パジェロジュニア」を発売しました。ボディパネルは基本的にパジェロミニと共通ながら、オーバーフェンダーや前後の大型バンパーによりボディサイズが拡大されると共にエンジンの排気量が拡大され、普通車登録となりました。
1.1Lエンジンを搭載
スタイリングも前述の変更点を除けばパジェロミニと大差なく、室内スペースも同一でした。ボディサイズは全長3,500mm×全幅1,545mm×全高1,660mmで、パジェロミニよりもそれぞれ105mm×150mm×30mm拡大されました。又、ホイールベースは同一の2,200mmであったものの、トレッドは100mmワイド化されフロント:1,290mm/リア:1,300mmとなりました。
車両重量は940~970kgで、パジェロミニから大人一人分程増加しました。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式・リア:5リンク/コイル式を踏襲し、駆動方式も同様に3つの走行モード切替機能が備わるパートタイム4WDシステム「イージーセレクト4WD」が採用されました。エンジンは、新開発された1.1L直4SOHC16バルブの4A31型が搭載されました。
スペックは最高出力80ps/6,500rpm・最大トルク10kgm/4,000rpmで、パジェロミニのターボ仕様に対し16ps/0.1kgm上回っていました。トランスミッションはパジェロミニ同様、副変速機が備わる5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は「ZR-Ⅰ」「ZR-Ⅱ」の2タイプで、タイヤサイズは前者がパジェロミニと同一の175/80R15、後者が205/70R15でした。
三菱 パジェロジュニアのCM
ABSとエアバッグを標準装備
安全装備面では、パジェロミニでは上級グレードにオプション設定されたABSや運転席SRSエアバッグシステムが、全車に標準装備されました。そして1996年7月に、フロントバンパーガードやフォグランプなどが装備される特別仕様車「ホワイトジュニア」が、追って同年10月には、ルーフキャリアやフォグランプなどが装備される特別仕様車「マックツイスト」が設定されました。
次いで1997年1月に、発売1周年を記念した特別仕様車「アニバーサリーリミテッド」が、続いて同年5月には、専用ボディカラーやルーフキャリア、フォグランプなどが備わる特別仕様車「リンクス」が設定されました。次いで同年9月、レトロ調のフロントマスクや前後フェンダー、木目調のセンターパネルなどを持つ特別仕様車「フライングバグ」が設定されました。
更に同年11月、特別仕様車「マックツイスト」が再び設定され、翌1998年1月には発売2周年記念特別仕様車として「アニバーサリーリミテッド」が設定されました。そして同年6月、一回り大きいボディに1.8Lエンジンを搭載する「パジェロイオ」にバトンを渡し、生産終了となりました。