三菱自動車は1983年2月に、同社初となるミニバン「シャリオ」を発売しました。ミニバンとしては前年にデビューした日産自動車の「プレーリー」と並び先駆者的な存在で、3列シート7人乗りというユーティリティーの高さ、ワンボックス車よりも遥かに低く抑えられた全高や4WD車の設定による走行性能の高さなどにより、ヒット作となりました。
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ツートーン・ボディカラーを採用
ボディは、オールヒンジ式の5ドアを持つ直線基調の2ボックス型で、2トーンのボディカラーがアクセントになっていました。ボディサイズは全長4,445mm×全幅1,640mm×全高1,525mm、ホイールベースは2,630mmで、車両重量は1,010~1,150kgでした(※いずれも初期型)。サスペンションはフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式による4輪独立懸架で、駆動方式は当初FFのみの設定でした。
エンジンは発売当初、1.6L直4SOHCのG32B型(最高出力92ps/最大トルク13.8kgm)と1.8L直4SOHCのG37B型(最高出力105ps/最大トルク15kgm)が用意され、トランスミッションは前者には5速MTが、後者には5速MT又は3速トルコン式ATが組み合わせられました。発売時のグレード体系は、下から1.6Lの「MF」、1.8Lの「MF」「MX」の3タイプでした。
三菱 シャリオのCM
ターボ車と4WD車を追加
そして同年7月に、1.8L直4SOHC ECIターボチャージャー仕様のG62B型エンジン(最高出力135ps/最大トルク20kgm)を搭載する「MRターボ」が追加されました。次いで1984年には、2L直4SOHCのG63B型エンジン(最高出力110ps/最大トルク16.7kgm)と副変速機付き4速MT「スーパーシフト」を搭載するフルタイム4WD車が追加されました。
4WD車はリアサスペンションがセミトレーリングアーム独立懸架式に変更されると共に、最低地上高が20mm高く設定されました。同時に全高が45mmアップの1,575mmとなり、立体駐車場への入庫は不可能となりました。グレード体系は下から「ME」「MF」「MT」の3タイプがラインナップされ、全車に傾斜計が、更にMTにはオールシーズンタイヤが装備されました。
その後、数度に及ぶマイナーチェンジにより、エンジン・ラインナップの変更やエクステリア・デザインの変更、バックミラーのドアミラー化などが行われました。最終的なグレード体系は、G37B型エンジン搭載の「サンクス」「MH」「MX」、1.8Lディーゼルターボの4D65型エンジン(最高出力76ps/最大トルク15.2kgm)搭載の「MFターボ」、G63B型エンジン搭載の「ME」「MF」「MT」の全7タイプでした。
又、フルタイム4WD方式を採用する2L車のトランスミッションは、一般的な5速MTに変更されていました。そして1991年5月にフルモデルチェンジを受け、2代目N3/N4型に移行しました。
後継モデル:2代目シャリオ