シトロエンのミディアムクラスセダン/ワゴン「エグザンティア」は、「BX」の後継モデルとして1993年3月のジュネーブショーで発表されました。スタイリング面ではかつてのシトロエン車のようなアクの強さは薄れたものの、独自の油圧制御システムのハイドローリック・システムをBXから踏襲し更に進化させるなど、ワン・アンド・オンリーな個性は健在でした。
BXに続きベルトーネ・デザインを採用
ボディのデザインを手掛けたのは、BXと同様カロッツェリア・ベルトーネでした。まず最初に登場したセダンのスタイリングは、ファーストバックのBXとは異なりノッチバックの3ボックス型に変貌したものの、テールゲートを備える5ドア車である点は踏襲されました。そして2年後には、ステーションワゴンの「ブレーク」が追加されました。
初期型の全長×全幅×全高は、セダンが4,445mm×1,755mm×1,400mm、ブレークが4,660mm×1,755mm×1,415mmでBXよりも一回り大きく、ホイールベースも延長され2,740mmとなりました。車両重量は最も軽いグレードで1,170kgで、同一排気量のBXより200kg程増加しました。サスペンション形式は、BXと同様のフロント:ストラット式/リア:トレーリングアーム式が踏襲されました。
改良版のハイドラクティブ・サスペンションを設定
又、このサスペンションを動作させるシステムは、上級グレードには「XM」に搭載された電子制御式「ハイドラクティブ」に改良を加えた「ハイドラクティブⅡ」が、それ以外にはBX同様のハイドロ・ニューマチック・システムが採用されました。ブレーキは前輪がベンチレーテッド型の4輪ディスク式で、駆動方式はFFが踏襲されました。
エンジンは発売当初は全て直4で、ガソリンが1.6L NA(最高出力90hp)、1.8L NA(最高出力103hp)、2L NA8バルブ(最高出力137hp)、同16バルブ(最高出力157hp)、同ターボ(最高出力150hp)の5種類、ディーゼルが1.9L NA(最高出力72hp)、同ターボ(最高出力93hp)の2種類の全7種類がラインナップされました。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
M/CでV6モデルを追加
そして1994年に初のマイナーチェンジが行われ、ABSやSRSデュアルエアバッグシステムなどが採用されました。次いで1998年に2度目のマイナーチェンジが行われ、エクステリア面ではノーズが延長されるモデファイが行われた他、セダンに3L V6エンジン(最高出力191hp)搭載車が追加されました。そして2000年に後継モデルの「C5」が発表された事に伴い、翌2001年に生産終了となりました。
日本にはデビューしたその年に、まず2L NAエンジン(日本仕様は最高出力120ps/最大トルク18.3kgm)とATを搭載するセダンが導入され、1997年に同じパワートレインを搭載するブレークが追加されました。そして翌1998年には、3Lエンジン(日本仕様は最高出力190ps/最大トルク27.7kgm)が導入されると共に、2L車のスペックが最高出力130ps/最大トルク18.7kgmに向上しました。