日産のミドルクラスミニバン「セレナ」は、2010年11月に5年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、現行型となりました。先代から基本コンセプトを踏襲し、FF方式ベースの基本レイアウトや標準グレードにおける5ナンバーサイズのボディなどを受け継ぎながらも、居住性の更なる改善や燃費向上などの改良がおこなわれました。
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ボディを拡大
スタイリングは、シュプールラインと呼ばれる前席サイドウィンドウ部のウエストラインが下げられたデザインが踏襲されるなど、基本的に先代の雰囲気を受け継ぎながら、開放感を向上させる為フロントウィンドウの面積を拡大するなどの変更が行われました。ボディサイズは全長4,685mm(~4,790mm)×全幅1,695(~1,735mm)×全高1,865mm(~1,875mm)で、先代よりも一回り拡大されました。
ホイールベースは先代同様の2,860mmで、車両重量はボディ拡大にも関わらず、先代とほぼ同等の1,600kg~1,720kgに抑えられました。サスペンション形式も先代と同様の、前ストラット式/後トーションビーム式(FF)・マルチリンク式(4WD)が踏襲されました。乗車定員は、先代同様8人乗り仕様のみが設定されました。
エンジンを刷新し燃費が向上
エンジンは、先代に搭載されていた2L直4ガソリンのMR20DE型を直噴化したMR20DD型に変更されました。最高出力と最大トルクは、FF車用が147ps/21.4kgm、4WD車用が144ps/21.1kgmで、共にMR20DE型より向上を果たしました。トランスミッションは、先代同様の「エクストロニックCVT」が採用されました。
又、アイドリングストップ機構をエントリーグレードを除く全車に設定するなどにより、燃費性能や環境性能が大幅に向上した事も特徴でした。アイドリングストップ機構は、ECOモーターを使用したタイプである為、始動音が発生せず始動時間も短い点がメリットでした。その他、室内長が先代比で300mm拡大され、居住性が大きく向上しました。
MCで簡易型ハイブリッドシステムを搭載
そして、2012年8月に実施された一部改良の際に、一部グレードを除くFF車に「S-ハイブリッド」と呼ばれる簡易型のハイブリッドシステムが搭載され、燃費が更に向上しました。これは、ECOモーターの出力とエネルギー回生発電量を増加し、サブバッテリーを追加する事によりエンジンを補助するシステムで、車両重量やコストの増加が最小限に抑えられるメリットがありました。
次いで2013年12月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりエクステリアのイメージを刷新すると共に、一部グレードにおいて内装の変更なども行われました。又、移動物検知機能付きアラウンドビューモニターやエマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報、ふらつき警報などを装備する「アドバンスドセーフティパッケージ」が設定されました。
販売は好調で2011年~2013年に掛けてミニバン部門で販売台数トップとなるなど、揺るぎないベストセラーカーとしての位置付けを獲得しました。