日産のミドルクラスミニバン「セレナ」は、2005年5月に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。先代から基本コンセプトを踏襲しつつ、プラットフォームを刷新すると共に室内長を拡大し、居住性の改善を図った他、パワートレインの一新により燃費性能が向上した事などが特徴でした。
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5ナンバーサイズを踏襲しロングホイールベース化
スタイリングは、先代同様の1.5ボックス型を踏襲しつつ、視界の確保と開放感向上の為、前席サイドウィンドウ部にシュプールラインが採用されました。ボディサイズは全長4,650mm~4,690mm×全幅1,695mm×全高1,850mmで、全長が拡大された他、先代の標準ルーフ車と比較すると全高も若干高く設定されました(ハイルーフ仕様は廃止)。
しかし、全幅は先代と同一で、取り回しの有利な5ナンバーサイズが踏襲されました。ホイールベースは一気に165mm延長され、クラストップとなる2,860mmのロングホイールベースとなり、居住性や乗り心地の向上に繋がりました。乗車定員は8人乗りのみの設定となり、車両重量は先代とそれほど差がない1,610kg~1,710kgでした。
パワートレインを一新、3ナンバーモデルを追加
パワートレインは一新され、2L直4ガソリンのMR20DE型に一本化されました。FF車とフルタイム4WD車でチューニングが若干異なり、最高出力と最大トルクはFF車が137ps/20.4kgm、4WD車が129ps/19.1kgmでした。トランスミッションも刷新され、「エクストロニックCVT」に一本化されると共に、燃費性能や環境性能も改善されました。
サスペンション形式は、フロントはFF車/4WD車共に先代と同一のストラット式で、リアは4WD車が先代同様のマルチリンク式、FF車は新たにトーションビーム式が採用されました。ブレーキは、新たに後輪もディスク化され4輪ディスク式となりました。インテリア面では、シフトレバーの位置がステアリングコラムからインパネに移動した事などが相違点でした。
翌2006年6月に、フルモデルチェンジに伴い一旦廃止されたスポーティグレード「ハイウェイスター」が復活しました。専用フロントグリルやエアロパーツ、専用ブラックシートなどを装備して標準グレードとの差別化を図った他、全高を10mmローダウンすると共に、全幅を30mm拡大し3ナンバー化した事が特徴でした。
次いで2007年12月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトや内装の質感向上などが行われた他、一部グレードに「アラウンドビューモニター」がオプション設定されました。又、「ハイウェイスター」のサスペンションが専用タイプとなった他、進行方向のヘッドランプ照射範囲を拡大する「アクティブAFS」を装備するなどの改良が加えられました。
3代目セレナは、初代や先代に引き続き好調な販売を維持しました。特に2007年~2009年に掛けてはミニバン部門で販売台数トップとなるなど、ベストセラーカーの少ない日産にとっては貴重なドル箱的存在となりました。