ホンダ技研工業は1980年1月、同社初のステーションワゴンとなる「シビックカントリー」を発売しました。ベースとなったのは前年にフルモデルチェンジを受け2代目となった商用モデル「シビック・バン」で、プラットフォームやボディは共通ながら、ユーティリティの改善や装備の充実化など乗用モデルに相応しいモディファイが加えられていました。
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木目調パネルを採用
ボディタイプはバン同様5ドアで、エクステリア面ではサイドプロテクションモールや木目調パネル(最初の1500台は標準装備、それ以降はディーラーオプション)の採用により、バンとの差別化が図られていました。ボディサイズは全長4,085mm×全幅1,580mm×全高1,380mmで、バンに対し全長が90mm延長され、全高は5mm低く設定されました。
ホイールベースは同一の2,320mmで、車両重量は70kg程重い835~840kgでした。サスペンション形式はバンと共通のフロント:ストラット式/リア:リジッド・リーフ式で、駆動方式もFFが踏襲されました。エンジンは、バンが1.3L直4SOHC CVCC仕様のEJ型(最高出力70ps/最大トルク10.7kgm)を搭載するのに対し、1.5L直4SOHC CVCC仕様のEM型(最高出力80ps/最大トルク12.3kgm)が採用されました。
トランスミッションはバンの4速MTに対し、5速MTと2速トルコン式AT「ホンダマチック」が設定されました。ブレーキはバンと同様のフロント:ディスク式/リア:ドラム式で、タイヤはバンの5.00-12クロスプライに対し、155SR-13スチールラジアルが装着されました。室内は、フルトリム化やカラーコーディネーションの採用により差別化が図られていました。
乗用ワゴンならではの装備を採用
更に、装備面では4段階に角度調整が可能なバリアブルリアシートや、運転席横のボタン操作によりテールゲートのロックが解除出来る電磁席テールゲートオープナーが標準装備されました。その他、安全装備として前席ELR付3点式シートベルトや、内側からの後席用ドアの開放を防ぐチャイルドプルーフ機構が採用されました。
又、オプションでエアコンが用意されました。そして同年7月の一部改良により、エンジンが改良型のCVCC-Ⅱ仕様(スペックは不変)に置換されると共に、ホンダマチック車がオーバードライブ機構付となり燃費が向上しました。同時に、昼夜切り換え式ルームミラーや二重操作式テールゲートロック、助手席背後のシートバックポケットが採用されました。
次いで1981年10月のマイナーチェンジにより、ヘッドランプが丸型2灯式から角型2灯式に変更されると共にインパネの意匠が変更され、続いて1982年9月のマイナーチェンジがでは、リアコンビネーションランプの意匠が変更されました。そして1983年9月にシビックシリーズのフルモデルチェンジが実施されると、カントリーはそのまま姿を消しました。