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フィアット500 (初代 1936-1955):国民車として人気を博しロングセラーに

フィアット 500 トッポリーノ 1936

フィアットは1936年、同社最小の車体と排気量を持つ大衆車「500」を発売しました。当時としてはモダンなスタイリングと贅沢なメカニズムが採用された事が特徴で、その愛らしい姿から「トッポリーノ(ハツカネズミ)」の愛称で親しまれ、国民的な人気を博しました。又、戦時中の生産中止期間はあったものの戦後に生産が再開され、結果的に長いライフスパンを持つモデルとなりました。

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実用上十分な性能

車体の構造は、当時としては一般的なラダーフレーム式シャシーにスチール製2ドア2シーター仕様のボディが架装されました。エクステリア・デザインは、独立した前後フェンダーが備わる戦前型特有のスタイルながらも、傾斜を持つ丸みを帯びたフロントグリルが採用されるなど流麗なイメージに纏められていました。

フィアット 500 トッポリーノ 1936

ボディのディメンションは全長3,215mm×全幅1,275mm×全高1,377mm、ホイールベース2,000mmというミニマムなもので、車両重量も軽量化設計により僅か535kgに抑えられていました。サスペンション形式は、フロントは先進的なウィッシュボーン+リーフ式独立懸架が、リアにはラジアスアーム+1/4楕円リーフ・リジッド式が採用されました。

フィアット 500 トッポリーノ 1936

駆動方式はオーソドックスなFRで、エンジンは水冷569cc直4SVがフロントアクスルより前にオーバーハングして搭載されました。最高出力は僅か13.2psながら、軽量なボディの助けもあり4速MTを介し最高速度85km/hの実用上十分な性能を発揮しました。又、4輪ドラム式のブレーキは、当時としては先進的な油圧式でした。

改良型が登場

フィアット 500C トッポリーノ 1949

そして1938年、過積載(定員オーバー)が常態化していた使用状況に対応する為、フレームに補強が施されると共に、リアサスペンションが強固な半楕円リーフ式に変更されました。そして戦中戦後の混乱期を経た後、1948年に改良型の「500B」が発売されました。エンジンがOHV化され最高出力が16.7psに向上すると共に、テレスコピック式ショックアブソーバーが採用されました。

フィアット 500C トッポリーノ 1949

同時に、ルーフを延長し乗車定員を4名とした3ドアステーションワゴン「ジャルディニエラ」が追加され、実用性の高さからセダン以上の人気を獲得しました。更に翌1949年には、大掛かりなフェイスリフトによりモダンなフロントマスクに変貌した「500C/500Cジャルディニエラ」がリリースされました。装備面ではヒーターが初めて備わった他、セダンにも後席が設けられた事が特徴でした。

フィアット 500C Giardiniera 1949

そして1955年、RR方式を採用した新型大衆車「600」がデビューした事に伴い、その役目を終え生産終了となりました。

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