プジョーは1955年4月、1948年にリリースした小型乗用車「203」の一クラス上に位置すると共に、実質的な後継モデルとなる「403」を発表しました。エクステリアは戦前型の名残を残していた203から大きく変貌し、ピニンファリーナのデザインによるフラッシュサイド・フルワイズのボディが採用されました。それに伴い、居住性も大幅に改善されました。
ボディサイズを拡大
ボディタイプは当初、5/6人乗り4ドアセダン「ベルリーヌ」のみの設定でした。モノコック構造を踏襲するノッチバック・3ボックス型ボディのサイズは、全長4,470mm×全幅1,670mm×全高1,510mmで、203からそれぞれ120mm×50mm×10mm拡大されました。又、ホイールベースは100mm長い2,680mmに設定され、車両重量は80kg程重い1,025kgとなりました。
サスペンション形式は、203同様のフロント:ウィッシュボーン/横置きリーフ式・リア:トルクチューブ+ラジアスアーム/コイル式で、駆動方式もFRが踏襲されました。エンジンは、203用をベースにボアアップを図ると共に機構をシンプル化した1.5L直4OHVが搭載されました。アウトプットは最高出力58hp/最大トルク10.3kgmで、4速MTを介しての最高速度は135km/hでした。
プジョー403の登場した映画・ドラマのワンシーン
刑事コロンボのプジョー403走行シーン
ラインナップを拡充
そして翌1956年、全高を20mm低めた2ドアカブリオレ「403C」と、ホイールベースを2,900mmに延長した8人乗り5ドアステーションワゴン「リムジン・ファミリアール」が追加されました。又、商用モデルとして5ドアボディの「コメルシアル」、3ドアボディの「ファルゴネット」、ピックアップトラックがラインナップに加わりました。
更に1958年には、ベルリーヌ/カブリオレに電磁クラッチ式4速セミAT仕様の「403J/403CJ」が追加されました。追って翌1959年、1.8L直4OHVディーゼルエンジン(最高出力48hp)を搭載する「403D」が追加された他、カブリオレにハードトップ装着車が設定されました。又、機構面では全車のリアサスペンションにテレスコピック式ショックアブソーバーが採用されました。
次いで1960年2月に併売されていた203が生産終了になると、それに代わるモデルとして、203と同じ1.3Lエンジンを搭載し専用デザインのバンパーやフロントグリルを採用した「403/7」が設定されました。更に同年5月に後継モデル「404」がデビューしてからも生産は継続され、同年7月にはギアボックスを404と共通の4速直結タイプに変更した「403B/403B7/403BDA」に移行しました。
そして翌1961年4月にカブリオレが廃止になったものの、ベルリーヌは1966年6月、商用各モデルは1967年3月まで生産が継続されました。