ボルボ・カーズは1996年、1991年にリリースした「850」にビッグマイナーチェンジを施すと共に、車名を4ドアセダンは「S70」に、5ドアステーションワゴンのエステートは「V70」に変更しました。基本メカニズムは850譲りであったものの、約1800箇所にも及ぶ改良を施す事で総合的な完成度向上が図られました。
内外装の意匠を変更
スタイリングは850同様のボクシーなフォルムを踏襲しながら、フロント廻りの意匠変更によりイメージが刷新されました。又、インパネも一足先に登場した2ドアクーペ「C70」と共通の意匠に一新されました。ボディサイズは全長4,722mm×全幅1,760mm×全高1,402~1,448mmで、850から全長が若干延長されました。一方、2,664mmのホイールベースは850と共通でした。
駆動方式は850同様FFとフルタイム4WD(V70のみ)が設定され、エンジンも850からのキャリオーバーでした。当初のラインナップは、2L直5SOHC NA(最高出力126ps)、2.3L直5DOHCターボ(最高出力240ps/250ps)、2.5L直5DOHC10V NA(最高出力144ps)、同20V NA(最高出力170ps)、同ターボ(最高出力193ps)のガソリンと、2.5L直5SOHCディーゼルターボ(最高出力140ps)の全6種類でした。
バイフューエルエンジンを追加
組み合わせられるトランスミッションは、当初850と同様5速MT又は4速トルコン式ATでした。サスペンション形式はフロントはマクファーソンストラット式を踏襲し、リアはデルタリンク式からマルチリンク式に変更されました。その後、1998年に2.5L直5バイフューエルエンジン(最高出力144ps)が、1999年にV70に2.5L直5ガソリンハイプレッシャーターボエンジン(最高出力265ps)が追加されました。
そして1999年にV70がフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行、S70は1998年に登場した上級モデル「S80」に統合される形で翌2000年に生産終了となりました。S70/V70の日本への初上陸は1997年2月で、当初は2.3Lターボエンジン搭載の「T-5」、2.5L 10Vエンジン搭載の「2.5」、同20Vエンジン搭載の「2.5 20V」、同ターボエンジン搭載の「2.5T」のグレード体系でした。
いずれも駆動方式はFFで、トランスミッションは4速ATとの組み合わせでした。追って翌3月に、V70に2.5Lターボエンジン+4速AT搭載のフルタイム4WDグレード「AWD」が追加されました。次いで1998年9月、グレード体系がS70は2.5のみに整理され、V70は2.5/2.5T/AWD及び最上級グレード「XC AWD」の4タイプとなりました。
続いて1999年7月、S70に2.5Lターボエンジン+4速AT搭載の「クラシック」が追加されました。同時に、V70には2.5L 20Vエンジン+4速AT搭載の「ノルディック」及びバイフューエルエンジン+4速AT搭載の「バイフューエル」が追加された他、特別仕様車として2.5Lハイプレッシャーターボエンジン+5速ATを搭載するフルタイム4WDモデル「R AWD」が設定されました。
そして同年11月、V70に2.5L 10Vエンジン搭載+5速AT搭載の「クラシック」が追加されました。