初代モデルが1953年にデビューしたフォード・モーター(ヨーロッパ・フォード)の商用モデル「トランジット」は、2013年に通算6度目のフルモデルチェンジを受け、7代目モデルに移行しました。先代までは欧州市場専用モデルであったものの、この代から北米市場でも従来の「Eシリーズ」に代わるモデルとして販売が開始されました。
さまざまなボディを用意
ボディタイプは、キャブトラック/ミニバス/バンの3タイプが基本となっています。さらにバンには、1列シート2/3人乗りのパネルバンと、2列シート6/7人乗りのダブルキャブインバンが設定される他、全高の異なるミディアムルーフ仕様とハイルーフ仕様、ホイールベースの異なるミディアムホイールベース/ロングホイールベース/超ロングホイールベースが設定されるなど、さまざまな組み合わせが可能となっています。
ボディサイズは全長5,532mm~6,759mm×全幅2,052~2,126mm×全高2,088mm~2,797mmで、ホイールベースは3,300~3,749mm、最大積載量は880~1,900kgとなっています。スタイリングは、セミキャブオーバー型のフォルムや直線基調のボディラインを踏襲しながら、台形のフロントグリルや吊り目のヘッドランプなど、同社最新のデザイン・テイストが取り入れられています。
3種類の駆動方式を設定
サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット独立懸架式、リアがリジッド・アクスル式で、ブレーキはフロントにベンチレーテッド・ディスク式、リアにドラム式が装備されます。駆動方式はFF/FR/4WDの3種類が設定され、ニーズに応じ選択出来る点がこのモデルならではの特徴となっています。
エンジンは、欧州仕様には2.2L直/2.4L直4/3.2L直5のディーゼルターボと、2.3L直4のガソリンが用意されます。一方北米仕様には2.2L/2.4Lのディーゼルは用意されず、代わって3.5L V6および3.7L V6のガソリンが設定されています。これらのうち、欧州仕様の主力となる2.2Lディーゼルターボには、100ps/125ps/155psの3種類がラインナップされています。
組み合わせられるトランスミッションは、インパネシフト式の6速MTまたは6速トルコン式AT(北米仕様のみ)となっています。グレード体系はベースグレードと上級グレード「トレンド」の2タイプで、後者にはオートライトやオートワイパー、ヒーテッド・ドアミラー、パーキングセンサーなどが標準装備されます。
さらに、オプションでアダプティブクルーズコントロールやリアビューカメラ、後退時障害物検知システム「ボッシュ・リバース・ウォーニング・デバイス」などが用意されます。トランジットは、フォード・ジャパンによる日本市場への正規輸入は行われなかったものの、並行輸入業者による輸入販売が行われています。