F1メーカーとして名高いマクラーレン社のロードカー部門として2009年に誕生したマクラーレン・オートモティブは、2015年ジュネーブ・ショーにおいて「650S」の上級モデルとなるとともに、同社のモデルライン「スーパーシリーズ」の頂点に位置する新型スーパーカー「675LT」を発表しました。ボディの軽量化やエンジンのパワーアップなどにより、走行性能にさらに磨きが掛けられたモデルとなりました。
シャシー&ボディの一部をリニューアル
シャシーやボディは基本的に650Sからのキャリオーバーながら、一部が新設計されました。ボディタイプは650S同様、フィクスドヘッドボディのクーペと電動リトラクタブルハードトップが備わるオープンボディのスパイダーがラインナップされました。スタイリングは650Sのデザイン・テイストを踏襲しつつも、大型化されたリアウイングやエアブレーキをはじめ随所に専用のパーツが装着されました。
同時にエアロダイナミクス特性も改善され、ダウンフォースは650Sから40%の向上を果たしました。ボディ・ディメンションは全長4,546mm×全幅2,095mm×全高1,188mm(クーペ)/1,192mm(スパイダー)、ホイールベース2,670mmで、650Sから全長が34mm延長されるとともに、全高が11mm低められました。また、トレッドは前後ともに20mm拡大されました。
100kgもの軽量化を実現
車両重量はクーペが1,230kg、スパイダーが1,270kgで、前述のシャシーおよびボディのリニューアルや薄型フロントガラスの採用などにより、650Sから100kgもの軽量化が図られました。サスペンションは、前後左右のダンパーを相互接続した独自の「プロアクティブシャシーコントロール」を踏襲しながらも、軽量化とスプリングレートの強化が図られました。
駆動方式はMRを踏襲し、エンジンは基本的に650Sと共通の3.8L V8DOHCツインターボながら、アウトプットは最高出力が25psアップの675ps/7,100rpm、最大トルクが2.3kgmアップの71.4kgm/5,500-6,500rpmまで高められました。その一方で、CO2排出量はそれまでと同じ275CO2g/kmに抑えられました。トランスミッションは650S同様の7速DCTながら、変速スピードの大幅な向上が図られました。
パフォーマンスは、最高速度330km/h(クーペ)/326km/h(スパイダー)・0-100km/h加速2.9sで、650Sから最高速度が3km/h低下した一方、0-100km/h加速タイムは0.1s短縮されました。ブレーキはフロントに394mm径、リアに380mm径のローターを採用した4輪ベンチレーテッド・ディスク式を踏襲し、タイヤも650Sと共通のフロント:235/35ZR19、リア:305/30ZR20サイズが装着されました。
タイヤの銘柄は、650Sとは異なる「ピレリ・PゼロトロフェオR」が採用されました。また、ステアリングのギアレシオが650Sから10%クイック化されたことも特徴でした。