アウディAGは2005年、Dセグメントの乗用車「A4」(3代目/B7系)をベースとした究極の高性能バージョン、「RS4」を発売しました。2世代前のB5系A4をベースとした初代RS4が2001年に生産終了となって以来、4年ぶりの復活となり、開発は従来のRSモデル同様アウディ100%出資子会社のクワトロGmbH社の手により行われました。
まずはセダンから
ボディタイプは、先代が5ドアステーションワゴンの「アバント」のみの設定であったのに対し、まず4ドアセダンからリリースされました。エクステリア・デザインは、専用の前後バンパーやリアスポイラー、ワイド化されたフェンダーなどにより差別化が図られていました。ボディ・ディメンションは全長4,589mm×全幅1,816mm×全高1,415mm、ホイールベース2,648mmでした。
アウディ自身が手掛けるA4の高性能版「S4」と比較すると、全幅が35mm拡大されていました。駆動方式はS4同様フルタイム4WD「クワトロ・システム」のみの設定で、エンジンはS4にも搭載される4.2L V8DOHC32バルブNAをベースにチューンナップを施したものが採用されました。そのスペックは、最高出力420ps/7,800rpm・最大トルク43.9kgm/5,500rpmというものでした。
独自のサスペンションを採用
S4と比較すると、76ps/2.1kgmの向上を果たしていました。トランスミッションは、S4と異なり6速トルコン式ATは用意されず、6速MTのみの設定でした。そのパフォーマンスは、最高速度こそリミッターの作動によりS4と同一の250km/hに留まるものの、0-100km/h加速タイムは0.8s短縮され4.8sとなっていました。また、初代RS4に対しては0.1s短縮されました。
サスペンションは、フロント:4リンク式/リア:トラペゾイダル式の形式を踏襲しながら、対角線上のダンパーを連結制御して前後左右の揺れを軽減する「DRC(ダイナミック・ライド・コントロール)」を採用したことが特徴でした。ブレーキは前後ともベンチレーテッド・ディスク式で、タイヤは255/40R18サイズが装着されました。
ワゴンとカブリオレを追加
また、インテリア面では専用のステアリングホイールや電動サイドサポート機能付バケットシートが採用されました。そして翌2006年、5ドアステーションワゴン版の「RS4アバント」と、2ドアカブリオレ版の「RS4カブリオ」がラインナップに加わりました。パワートレインや基本メカニズムなどはセダンと共通であったものの、車両重量の増加により0-100km/h加速タイムは0.1s遅くなっていました。
そして、A4がB8系にフルモデルチェンジされた2008年をもって生産を終了、次期RS4が登場するのはその4年後の2012年のことでした。日本市場における2代目RS4は、2006年6月にセダンとアバントが同時に初上陸を果たしました。一方、カブリオレの導入は見送られました。