1994年に初代モデルがデビューを飾ったアウディAGのミディアムモデル「A4」は、2004年末に4年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目B7系に移行しました。実質的に先代からのビッグマイナーチェンジ版でプラットフォームがキャリオーバーされた一方、スタイリングや足回りなどに大幅な見直しが図られました。
ダブルグリルを採用
ボディタイプは、当初は先代に設定のあった2ドアソフトトップコンバーチブル「カブリオレ」は用意されず、4ドアセダンと5ドアステーションワゴン「アヴァント」の2タイプでのスタートとなりました。エクステリア面ではルーフ以外のボディパネルが一新されると共に、同社の新たなアイデンティティとなったダブルグリルが採用され、それまでのイメージが一新されました。
ボディサイズは全長4,586mm×全幅1,772mm×全高1,427mm、ホイールベースは2,648mmで、全長が僅かに拡大された以外は実質的に先代と同等でした。サスペンションは、形式こそフロント:4リンク式/リア:トラペゾイダル式を踏襲するものの、上級車種「A6」のパーツの移植により刷新が図られました。駆動方式は先代同様、FFとフルタイムWDの「クワトロ・システム」が用意されました。
多彩なエンジン・ラインナップ
欧州仕様のエンジンは、ガソリンは1.6L直4SOHC NA(最高出力101ps/最大トルク15.1kgm)、1.8L直4DOHCターボ(最高出力163ps/最大トルク22.9kgm)、2L直4DOHC NA(最高出力130ps/最大トルク19.9kgm)、同直噴ターボ(最高出力200ps/最大トルク28.6kgm)、3.2L V6DOHC直噴NA(最高出力256ps/最大トルク33.7kgm)の5種類が用意されました。
一方ディーゼルは、1.9L直4SOHCターボ(最高出力115ps/最大トルク29.1kgm)、2L直4DOHCターボ(最高出力140ps/最大トルク32.6kgm)、2.5L V6DOHCターボ(最高出力162ps/最大トルク35.7kgm)、3L V6DOHCターボ(最高出力204ps/最大トルク45.9kgm)の4種類でした。トランスミッションは5速/6速MTと6速トルコン式AT、そして7速マニュアルモード付CVT「マルチトロニック」が設定されました。
そして2005年3月にアヴァントが、2006年2月にカブリオレが追加された後、2007年にフルモデルチェンジが実施され4代目B8系に移行しました。日本市場における3代目A4は、2005年2月にまずセダン/アヴァントの「2.0」(ガソリン2L NAエンジン+CVT)、「2.0TFSIクワトロ」(ガソリン2Lターボエンジン+6速AT)、「3.2FSIクワトロ」(3.2Lエンジン+6速AT)の導入が開始されました。
追って同年7月に、セダン/アヴァント「1.8T」(1.8Lターボエンジン+CVT)が追加されました。その後カブリオレの導入はないまま、2008年3月に4代目モデルに切り替えられました。