光岡自動車は2010年11月、日産自動車のアッパーミディアムセダン「ティアナ」(J32型)をベースにクラシカルな外観に仕上げた新型車「ガリュー(我流)」を発売しました。同年7月に販売終了となった「日産・フーガ」がベースの「ガリューⅢ」の後継モデルで、往年のロールス・ロイス製モデルを彷彿とさせるスタイリングが踏襲されました。
フロント・サスペンションを変更
ボディタイプは従来同様、4ドアセダンのみのラインナップでした。エクステリア・デザインはグリーンハウスなどをティアナから流用しながらも、縦型の大型グリルや丸型2灯式ヘッドランプなどを配したフロントまわりや、縦型リアコンビネーションランプなどを配したリアまわりなど、従来と同じ手法によるモディファイが施されました。
ボディサイズは全長4,980mm×全幅1,795mm×全高1,475~1,500mmで、先代から全長と全高がわずかに縮小されました。また、ホイールベースは125mm短い2,775mmとなりました。サスペンション形式は、ティアナ同様のフロント:マクファーソンストラット式/リアマルチリンク式で、先代からはフロントが変更されていました。
フルタイム4WD仕様も用意
駆動方式は、ベースモデル変更にともない従来のFRからFFおよびフルタイム4WDに変更されました。エンジンはティアナと共通で、フルタイム4WD車には2.5L直4DOHCのQR25DE型(最高出力167ps/最大トルク24.5kgm)が、FF車には2.5L V6DOHCのVQ25DE型(最高出力185ps/最大トルク23.7kgm)または3.5L V6DOHCのVQ35DE型(最高出力252ps/最大トルク34.2kgm)が搭載されました。
トランスミッションは、全車CVTとの組み合わせでした。また、ブレーキは先代の4輪ベンチレーテッド・ディスク式からリアがソリッド・ディスク式にダウングレードされました。グレード体系は、QR25DE型エンジン搭載の「25ST」「25DX」、VQ25DE型エンジン搭載の「25ST」「25DX」「25LX」、VQ35DE型エンジン搭載の「35LX」のラインナップとなっていました。
安全装備面では、全車にSRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付きABSなどが標準装備されました。また、快適装備としては全車にCDチェンジャー付きカーオーディオシステムが、25DX以上に前席パワーシートが、35LXにHDDナビゲーションシステムが採用されました。
その後2012年12月にマイナーチェンジが実施され、アルミホイールやメーターの意匠変更などが図られました。次いで2013年11月、25LXをベースにアルカンターラ表皮のシートやBOSEサラウンド・サウンドシステム、リアドアレースカーテンなどを装備した20台限定の特別仕様車「ヴィゴーレ」がリリースされました。そして2014年4月に35LXがカタログ落ちしたのち、同年9月をもって販売終了となりました。
次期ガリューが登場したのは、それから1年後の2015年9月のことでした。