クライスラー(現フィアット・クライスラー)のダッジ・ブランドから1992年にリリースされたフルサイズセダン「イントレピッド」は、1997年に5年ぶりのフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行しました。ボディ剛性の強化とともに空力特性に一段と磨きが掛けられたほか、エンジン・ラインナップが一新されました。
キャブフォワード・デザインを踏襲
プラットフォームはクライスラー・ブランドの乗用車「LHS」「300M」と共通となり、ボディタイプは先代同様4ドアセダンのみがラインナップされました。エクステリア・デザインは、特徴的なキャブフォワードのフォルムを踏襲しながら、さらにエアロダイナミックなイメージが強められました。同時に、Cd値も先代よりも0.01ポイントほど低い0.299に向上しました。
ボディサイズは全長5,174mm×全幅1,897mm×全高1,420mmで、実質的に先代と同等となるほか、ホイールベースは先代と同一の2,870mmでした。一方、車両重量は100kg以上増加し、1,574kgとなりました。駆動方式はFFが踏襲され、エンジンは当初それまでの3.3L V6と3.5L V6に代わり、オールアルミ製の2.7L V6DOHC(最高出力203ps/最大トルク26.3kgm)と3.2L V6SOHC(最高出力228ps/最大トルク31.1kgm)が用意されました。
組み合わせられるトランスミッションは、先代同様4速トルコン式ATのみの設定でした。ステアリング形式は、ロック・トゥ・ロックが3.4回転から3.1回転に速められたラック&ピニオン式で、ブレーキは全車にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が標準化されました。また、ホイール&タイヤは7J×16インチホイール+225/60R16タイヤの組み合わせが装着されました。
高性能版を追加
グレード体系はベースグレードと上級グレード「ES」の2タイプがラインナップされ、後者のATにはマニュアルモード付の「オートスティック」が採用されました。その後1999年にインパネの意匠が変更されるとともに、ES用として3.5L V6SOHCエンジン(最高出力235ps/最大トルク33.3kgm)が追加されました。
さらに2000年には、3.5Lエンジンのアウトプットを最高出力245ps/最大トルク34.3kgmまで高めて搭載する高性能版「R/T」が追加されました。次いで2002年に仕様変更が実施され、内外装が一部変更されるとともにR/T用3.5Lエンジンの最高出力が2ps向上しました。同時に、3.2Lエンジンは廃止されました。
追って2003年にはR/Tが廃止され、それに代わるグレードとして3.5Lエンジンのアウトプットを最高出力253ps/最大トルク34.6kgmまで高めて搭載し、スポイラーやサンルーフなどが装備される「SXT」が設定されました。そして翌2004年に生産を終了、イントレピッドはクライスラーのラインナップから姿を消しました。後継モデルとして、2005年に「マグナム」、2006年に「チャージャー」がリリースされました。