クライスラー(現フィアット・クライスラー)は1992年に開催された北米国際オートショーにおいて、ダッジ・ブランドより「モナコ」の後継モデルとなる「イントレピッド」を発表しました。モナコ同様のFFレイアウトを踏襲しながら、ボディが一回り拡大されフルサイズとなったほか、先進的なキャブフォワード・デザインが取り入れられました。
エンジンは2種類のV6を用意
プラットフォームは、クライスラー・ブランドの乗用車「LHS」「コンコルド」「ニューヨーカー」「イーグルビジョン」と共通で、ボディタイプは4ドアセダンのみのラインナップでした。エクステリア・デザインは、強い傾斜が与えられたAピラーと相対的に短いボンネット・フードが特徴で、同時に丸みを帯びた流麗なフォルムが備わっていました。
また、空力特性も秀逸でCd値0.31を実現していました。ボディ・ディメンションは全長5,123mm×全幅1,890mm×全高1,430mm、ホイールベース2,870mmという巨大なもので、モナコからはすべての項目において拡大されていました。一方、車両重量はボディサイズの割には軽い1,458kgに抑えられていました。エンジンは、3.3L V6OHV(最高出力155ps/最大トルク24.5kgm)が標準でした。
そのほかに、オプションで3.5L V6DOHC(最高出力217ps/最大トルク24.5kgm)が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、4速トルコン式ATのみの設定でした。サスペンションは前後ともコイルスプリング採用による独立懸架式で、ステアリング形式はロック・トゥ・ロック3.4回転のギアレシオを持つラック&ピニオン式が採用されました。
いち早くエアバッグを標準化
グレード体系はベースグレードと上級グレード「ES」の2タイプがラインナップされ、両グレードに当時は珍しかったSRSエアバッグシステムが標準装備されたほか、さらにESには4輪ディスクブレーキや強化された「ツーリングサスペンション」が採用されました。また、オプションでABSやトラクションコントロールシステムが用意されました。
その後1994年に、パーキングスピードでの軽い操舵力と高速域での確かな手ごたえを両立した可変ギアレシオのステアリングが採用されるとともに、ベースグレードにもツーリングサスペンションが採用されました。次いで1995年にESにABSが標準化され、さらに1996年にはATが「オートスティック」と呼ばれるマニュアルモード付となったほか、新グレード「スポーツ」が追加されました。
そして1997年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。